「何を入れてる?」障害児ママの“もしも”に備えるカバンの中身
こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
ちょっとだけ自己紹介します。
【アイスってこんな人!】
- 寝ること・食べることが好きなアラフォー薬剤師
- 2人姉妹を育てており、次女が医療的ケア満載の重心児
- 福祉の支援やケアが必要な子の日常生活について、お母さん同士でおしゃべりしちゃう感覚でコラムを読んでもらえたら嬉しいです。
はじめに
外出するとき、子どもの荷物だけでもいっぱい。
「これも必要かも」
「もし足りなくなったらどうしよう」
と、気づけばカバンがパンパン……。
障害のある子どもとの外出では、薬や医療用品、予備のものなど、一般的な荷物に加えて準備しているものもあります。
今回は、重症心身障害児、医療的ケア児、自閉スペクトラム症、知的障害のある子どもを育てる5人のママに、「毎日のカバンの必需品」「防災・もしもの備えの物品」「持ち運んでいる薬・医療用品」を教えてもらいました。
一人ひとりの言葉の中に、共感やヒントがきっと見つかるはずです。

障害のある子どもたち|災害等の備えの体験談
ここからは、障害児ママたちへのアンケート結果をご紹介します。
ママたちには、以下の質問に回答していただきました。
- 毎日のカバンの必需品
- 防災・もしもの備えの物品
- 持ち運んでいる薬・医療用品
ケース1 14歳、男の子(重症心身障害)
14歳、男子、重症心身障害、ダウン症
① 毎日のカバンの必需品
1.学校カバン(45ℓリュック)
- 連絡帳
- クリアファイル(学校のプリント入れ)
- メガネ
- 水筒、マスク、ハンカチ
- 給食セット(エプロン・小さめのキャップ付きハサミ・キャップ付きの5連ハサミ・おしぼり・カットコップ・歯ブラシ、歯磨き粉、コップの歯磨きセット)
▶︎学校で先生方が刻みなどの2次調理をしているので、ハサミを2種類準備してます。
カットコップは、コップ飲みの練習用に持たせています。使っているかどうかはわかりません。
- 着替え一式とビニール袋
- オムツ類(オムツ1枚、5回分用のパット1枚、6回分のナイト用パッド1枚とビニール袋)
▶︎着替えとオムツ類は、バス通学の際、猛吹雪の時に3時間以上乗車した嫌な思い出があり(添乗員さんが替えられない可能性もありますが)非常用に持たせるようになりました!
学校からの連絡ミスで、パッドの用意がなかった時に使ってくれた時がありました。
2.デイカバン(20ℓくらいのリュック)
登校時に学校カバンと一緒に持たせています。
- 連絡帳
- マスク
- オムツ類(オムツ3枚、5回分用のパット2枚、6回分のナイト用パッド2枚とビニール袋)
- おしりふき
- ティッシュ
▶︎水筒とメガネは、親了承のもと、学校カバンから出してもらっています。
3.通院や外出などで使うカバン(大きめトートバック)
- オムツ類(オムツ2枚、5回分用のパット2枚、6回分のナイト用パット2枚とビニール袋とペットシートのセット)
- 着替え一式一回分
▶︎通院や外出先で汚してしまった時のため。
- ハンカチ、ティッシュ、ウエットティッシュ
- マスク
- 100均のレジャーシート
▶︎服が濡れた時などに着替える場所がないまま、車に乗せなければならない時のため。
- 小さいキャップ付きハサミ、ストロー、割り箸、紙皿
▶︎急な外食に対応できるように。
- 風船すこし
▶︎おじいちゃん宅に行った時の遊びに使うため。
- 水筒、メガネ
② 防災・もしもの備えの物品
学校カバンであれば、①に加えて下記のもの。
- 着替え一式とビニール袋
- オムツ類(オムツ1枚、5回分用のパット1枚、6回分のナイト用パッド1枚とビニール袋)
通院や外出などで使うカバンであれば、①のものだけで対応可能。
日常的に持ち運びしているものではありませんが、息子の学校では、災害に備えて「非常用持ち出し袋」と防災頭巾が配布されています。食料品などをメインに入れて(着替えやオムツなどは常に学校に置いてあるので入ってません)、学校で保管してます。
- 食料品(水やジュース、ごはん・おかず・デザート類お薬手帳)
- アルコール消毒剤
- マスク(それぞれ3日分を目安に備蓄)
ホームセンターやドラッグストアで売っている防災食ややわらか食、鮭フレークやツナ缶、マヨネーズ、日持ちする羊羹などを入れてます。
- 3日分の薬
- ライト
- 乾電池
- アルミシート
- カイロや瞬間冷却剤
- 体ふきやウエットティッシュ類
(なるべく100均で揃うものにしています)
▶︎手帳、重心児受給者証、お薬手帳、マイナカードなど受診に必要なグッズ一式は、母のいつものカバンに常備しており、急な通院などに備えています。
③ 持ち運んでいる薬・医療用品
薬の持ち運びはしていませんが、各所に薬を置いてもらっています。
1.学校
学校で保管している「非常用持ち出し袋」には、3日分の薬が入っています。
その他には、てんかん用の座薬を保健室で預かってもらっています。
2.家庭
- 薬(まとめてカゴに収納(座薬類は冷蔵庫))
- 衛生用品
ベビー時代から使っている救急箱やトレイに衛生用品(消毒、オロナインやユースキン類、綿棒や手口ふき、細々したもの)やその日使いそうな数のオムツ類を入れ、その近くに収納ボックス(体ふきやシャンプーシート、消臭袋など)をおいています。
学校に保管している事、デイが家から近い事などがあり、必要物品は小分けにはしていません。
災害があると、地域の指定避難所へ行かなければなりません。札幌市の場合、そちらで「この避難所は難しい」と認定されなければ、要配慮者二次避難所(福祉避難所)には行けません。
要配慮者二次避難所への受入は、札幌市が施設との調整を経て行うものであり、自己判断での直接避難はできないそうです。
息子は、避難所へ行って過ごすのが難しいため、自宅で過ごすか車中泊するしかありません。
薬や医療・衛生用品は、なるべくリビングに集約させておき、車に移動する際は、そのまま積めるようにと考えています。
(NPO法人絵本屋だっこ理事・相談室ピアサポーターかめ)
ケース2 13才、男の子(重症心身障害、医療的ケアあり)

13歳、男子、医療的ケアあり、重症心身障害
① 毎日のカバンの必需品
- 吸引器セット(必要物品一式)
- 気管カニューレ予備
- 酸素ボンベ
- サチュレーションモニター
- アンビューバッグ
- オムツセット(オムツ、おしりふき、除菌ウェットティッシュ、防臭袋)
- 水分補給セット(お茶等、胃ろうチューブ、カテーテルチッシップシリンジ)
- タオル、着替え、予備のハーフケット
普段の外出に必要なものなので、それぞれバッグに入れてバギーに積んでいます。
上記に追加して、お薬手帳、アルコール消毒剤、マスクを入れておくことも。
② 防災・もしもの備えの物品
- 医療的ケアに必要な物品
- 衛生用品、生理用品
- 防災ポーチ(モバイルバッテリー、圧縮タオル、アルミ毛布、絆創膏、アル綿、ホイッスル、スティック砂糖、夫の携帯番号メモ)
- 処方薬が記載されたシール(お薬手帳)をスマホで撮影し、保存。
持ち物ではありませんが、自家用車にも医療物品・衛生用品・カイロ・高温でも長期保存可能な防災食を用意しています。
③ 持ち運んでいる薬・医療用品
①・②に書いたように、医療的ケアに必要なものは、「普段から使うきちんと揃ったもの」と、「いざと言う時のもの」と両方を準備しています。
薬は、①の水分補給セットと一緒に、定期薬と頓用薬1日分をまとめたものを、ジッパーバッグに入れています。
頓用薬は、間違い防止のためさらに小さなジッパーバッグに入れて、定期薬と区別しています
冷所保管の薬をどう保管するかが課題です。
(サポートスタッフ みかん)
ケース3 7歳、男の子(重症心身障害、医療的ケアあり)

7歳、男の子、モワットウィルソン症候群、難治性てんかん
① 毎日のカバンの必需品
- いざという時のお薬(ブコラム)
- オムツセット
- 着替え
- 食パン用の袋(オムツ用)は多めに持っています。
食パン用のビニール袋は、使用済みオムツや濡れたスタイ・汚れた服など、なんでも入れることができて、匂いがもれません。
きょうだいの食べかけのオヤツや、ゴミを入れたりすることも。
② 防災・もしもの備えの物品
「もしも」に備えて、酸素ボンベは常に新しい満タンのものを持って出かけるようにしています。
口から水分も栄養も取れないので、注入セットを持ち歩いています。
いざという時の頓服のお薬(ダイアップ、ブコラム、スピジアなど)は、すぐに使えるようにカバンの中にも入れています。
③ 持ち運んでいる薬・医療用品
- 薬
薬は、束ねてホチキスで服用時点ごとにまとめた上で、100均に売っている小さなキャラクターのジッパーつきの袋に入れています。
袋が濡れると水が中まで浸透してしまうので、口がしっかり閉まるジッパーつきの袋を愛用しています。
袋に入れると、「てんかん〇分以上の時」「昼の薬」「レート高い時」など、用途ごとに油性ペンで分かりやすく書くこともできるので、便利です。
- 注入セット
注入セットは、予備として、新品未開封のものを吸引バッグにしのばせています。
普段使いのものは、イノソリッドや水分等とまとめてランチバッグに入れて持ち歩いています。
誰が見てもわかるように、介助側にとって目印になるようにしています。
(サポートスタッフ かおる)
ケース4 9歳、女の子(重症心身障害、医療的ケアあり)
9歳、女の子、重症心身障害、医療的ケアあり(気管切開、夜間人工呼吸器、導尿、浣腸、酸素療法、経鼻栄養など)
① 毎日のカバンの必需品
バッグは、常に2個持ちです。
吸引器バッグ(気管切開をしているため)と、着替えなどを入れているバッグ。
酸素も24時間使用しているため、外出時はバッグ2個と酸素ボンベ、合計3点が必須です。
1.吸引器バッグ
- 吸引器
- 通し水(ボトル2個)
- アルコール綿
- 手指消毒用アルコールスプレー
- 吸引用カテーテル2本
- カニューレ
- アンビュー
- ポータブルモニター
上記に加えて、忘れ物対策・防災対策として、下記のものも吸引器バッグに詰め込んでいます。
- 医療的ケア物品の予備ケース
- おむつセットを入れたポーチ
- 1日分の薬と栄養剤を入れたジップロック
▶︎医療的ケア物品の予備ケース
- Yガーゼ2枚
- 吸引用カテーテル1本
- 個包装アルコール綿
- 個包装清浄綿(おしりふきとしても代用可)
- 人工鼻
- 経鼻栄養チューブと頬に貼る時に使うテープ
- 導尿用カテーテル1本
- カニューレバンド1本
▶︎おむつセットのポーチ(消臭ポーチ)
- おむつ2枚
- ペットシート(おむつ交換時の敷物として)
- ビニール袋
- ハンドタオル1枚
▶︎薬と栄養剤を入れたジップロック
- 1日分の定期薬と頓服薬
- 栄養剤(エネーボ1缶)、ソリタ
- 注入用シリンジ
- お薬手帳のコピー
- 栄養剤の注入量を書いた紙
緊急時には、とりあえず吸引器バッグと酸素ボンベだけ持ち出せば何とかなるように、準備しています。
2.着替えバッグ
いつ、どこで、誰が見ても分かるように、さまざまな大きさのジップロックに小分けして入れています。
IKEAの商品は、サイズが豊富で可愛くて、お気に入りです。
- おむつセット(上記と同様+おしりふき)
- 入浴&外用薬セット(Yガーゼ、人工鼻、カニューレバンド、外用薬3つぐらい)
- 導尿セット(導尿用カテーテル、ビニール手袋、導尿用ゼリー、
- 浣腸セット(浣腸1本、亜鉛華軟膏)
- タオルセット(おくるみ、フェイスタオル2枚、ハンドタオル2枚)
- 着替えセット(肌着、トップス、ズボン)
- 水分セット(白湯を入れた水筒、シリンジ、野菜ジュース、エネーボ1缶)
- 大きめのビニール袋(汚れ物やゴミを入れるため、あると安心)
② 防災・もしもの備えの物品
普段から、防災用のグッズも多めに持ち運びをしています。
過去には、外出が予定よりも長時間になり、注入のタイミングと重なったこともあります。
そのときは、普段ボトルから滴下している栄養剤や水分を、シリンジで手動で少しずつ注入しても大丈夫だと分かっていたので、落ち着いて対応することができました。
医療的ケアについては、代用できる方法やグッズがあるかどうかを、家にいるときにあらかじめ試しておくのがおすすめです。
「もし予定どおりにいかなかったらどうしよう」と思っていても、代わりの方法を知っていれば、多少のスケジュール変更にも落ち着いて対応できます。
私自身、リハビリ病院で「もし吸引用のアルコール綿がなくなった場合は、取り急ぎ、おしりふきや清浄綿などで代用しても大丈夫」と教えてもらい(※個人差がありますので、事前に医師や看護師にご相談を)、気持ちが楽になりました。
「全部をきちんと、常に揃えておかないといけない」というプレッシャーを少しでも減らすために、代用できるものや方法について、あらかじめ医師や看護師さんに聞いておくのもおすすめです。
③ 持ち運んでいる薬・医療用品
薬は透明のジップロックに、医療的ケア物品は透明のケースに入れています。
このケースは、本来は電子レンジでパスタを茹でるためのケースなのですが、透明なので中身が一目で分かり、とても便利です。
デイに行くときに忘れ物があった場合も、この予備の袋から取ってもらうようにしています。
薬は、「入浴・外用薬セット」と「内服薬・栄養剤セット」に分け、それぞれジップロックに入れています。
用途別に小分けにしたほうが分かりやすいかなと思いつつ、現在はジップロックがたくさんありすぎて……。
「もう少しまとめたほうがいいかも?」と、収納方法は現在も試行錯誤中です。
(NPO法人絵本屋だっこ理事・相談室ピアサポーター アイス)
ケース5 27歳、女の子(重症心身障害)

27歳、女子、重症心身障害(医療的ケアなし)
① 毎日のカバンの必需品
- オムツ
- おしりふき(純水99%のもの)
- ゴミ袋(オムツが臭わない防臭袋)
- 1回分の着替え
- お茶
- シリコンコップ(普段から使用しているもの)
- タオル
加えて、下記のアイテムをまとめてポーチに入れてます。
- マスク
- ティッシュ
- 小さいプラスチックスプーン
- 1回分の薬(頓服薬を含む)
▶︎プラスチックスプーンは、本人の口のサイズに合うカトラリーが無いと困るときのために入れてます。
- サポートブック
▶︎サポートブックは、もしものときに。
母や家族が本人の普段の様子を説明できない時でも、サポートブックを見たら分かってもらえるように入れてあります。
血液型、既往症、特性や食事形態や量、薬についてなどの情報や普段の姿勢やクッションの当て方、意思表示の仕方についてを記載しています。
(必要に応じて、簡単にイラストを描いているページもあり。写真は無し。)
② 防災・もしもの備えの物品
①に加えて、
- マスク
- ティッシュ
ひとつのポーチに。
更にトロミ剤や清浄綿も入れてあれば安心かも、と思いました。
もしもに備えて、カバンではなく、
自宅の玄関に防災用品をまとめたリュックを用意しています。
その中に、
- 歯ブラシ
- 栄養剤(ラコール2袋)
- マグ(ラコールを飲ませるため用)
- ストロー(ラコールをストローで飲ませているため)
- プラスチックスプーン
- 液体ハミガキ
- レインポンチョ(防寒、着替えの目隠し、雨よけのため)
を入れてます。
玄関には、リュックの他に、ローリングストックとして本人が食べられる食事も。
車には、数回分のオムツ、パット、クッション、ブランケットが積んであります。
最近、大人一人入れるテントを購入しました。
③ 持ち運んでいる薬・医療用品
薬は、玄関にリュックとは別のカバンにまとめて入れています。
その中から少しずつリビングの引き出し(普段の薬入れ)へ持ち出しています。
玄関に、オムツとおしりふきも置いてあります。
おわりに
障害児との外出では、荷物が多くなりがち。
でも、それは「心配しすぎ」ではなく、
「この子が安心して過ごせるように」
と考えて準備してきたものでもあります。
今回紹介した体験談を参考に、
「わが家には何が必要かな?」
と考えるきっかけになればと思っています。
持ち運びしておきたいもの、
車や玄関先に常備しておくと安心なもの。
子どもの状態はそれぞれ違っても、
ケアの方法についてはお互い参考になるところがあるかと思います。
赤ちゃんから成人した後のケアまで幅広くコラムに書いています。
ぜひ参考にして下さいね。
親子共に少しでも休息する時間が増えますように。
体の疲れが取れて、笑顔で過ごす時間が増えますように。
「私は一人じゃないんだ」
と感じてもらえたら、私もうれしく思います。
サポートスタッフ・相談室ピアサポーター アイス
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