このページでは、障害理解を深める絵本をご紹介します。
- 【売り上げ寄付】障害を考える絵本『ぼくのにぃに』作:しょうじあいか
- 【寄付作品】幼児向け吃音絵本『ぼくのきもち』作:小山陽子 絵:kidsnaco
- 【寄付作品】10月20日出版『ありがたいなぁ』作:松田友紀 絵:しょうじあいか
- 【売り上げ寄付】障害があっても希望をもって「ゆめちゃんのいえで」作:kidsnaco
- 【売り上げ寄付】吃音を知る絵本「うまくしゃべれないぼくは、へん?」
- 【売り上げ寄付】インクルーシブ絵本「みんなでたっち!」
- 【寄付作品】人との違いを受け止める絵本『穴の開いた人間ポー』作:ひらつかゆか
- 【売り上げ寄付】『3ねんと2かげつのいのち』作:しょうじあいか
- 【制作サポート作品】障害とは何かを考える絵本『星みーつけた』作:ながくぼたかよし
【売り上げ寄付】障害を考える絵本『ぼくのにぃに』作:しょうじあいか
絵本作家しょうじあいかの長男と子どもたちをモデルにした、障害を考える絵本です。
以下、インスタ等にも投稿した内容ですが、この絵本へ込めた思いです。
「ぼくのにぃに」は、わが家をモデルに作った障害を考える絵本です。
重症心身障害児のいる家庭の日常と、きょうだい児の主人公「ともくん」の葛藤と成長を描いています。
【モデルは、わが家の子どもたち】
うちには、10歳になる重症心身障害児の長男がいます。本書の「にぃに」は、そのまま長男をモデルにしています。
本書の主人公、きょうだい児の「ともくん」は、架空の人物。わが家の8歳長女と、3歳次男を足したようなイメージで作りました。
【この絵本に込めた思い】
「ぼくのにぃに」は、多くの方にわが家のような実情があることを知ってもらい、偏見に気づくきっかけにしてもらえれば……という思いで作りました。
きょうだい児の純粋な視点から描くことで、普段は気付くことのない偏見にも気付きやすくなるのではないかと思ったのです。
実は、わたしたち障害児の親ですら、多くの偏見にとらわれてしまっています。
実際に、わたし自身もそうでした。
息子がうまれたあとのわたしは、「障害児の親になってしまうなんて、なんて不幸なんだ」と思っていました。
息子に対しても、「かわいそう」と感じていました。
でも、あとからうまれた下の子たちの感覚は違ったのです。
下の子たちは、弟や妹と接するように、重い障害のある兄に接し、「ありのままの兄」を受け入れていました。
そこには、偏見も変な気遣いもなかったのです。
わたしは下の子たちのそうした純粋な視点に救われるとともに、自分の中の「偏見」にハッと気付かされました。
しかし、ある日、そんな下の子(娘)に変化がありました。
幼稚園に行きだしてしばらくしたころ、他のママから娘がこんなことを言っていたと聞いたのです。
「にぃになんて、しんじゃえばいいのに」
その言葉を聞いたわたしは、本当にショックでした。
しかし、おそらくその言葉は娘自身の大きな寂しさを表していたのだと思います。
当時、2歳差でうまれた娘と、いつまでも手のかかる新生児のような兄の育児は、記憶をなくすほど大変でした。
娘には、かなり我慢をさせていたと思います。
周囲からの兄に対する偏見に触れるなかで、寂しさと相まって、娘にはどれだけの葛藤があったのだろう……と、当時の娘の気持ちを思うと胸が苦しくなります。
でも、そんな娘も今では兄に対して優しく接してくれます。葛藤のなかで、娘なりの理解をし、成長があったのだと思います。
絵本では、そうした娘の葛藤も描いています。YouTubeの読み聞かせでも、娘本人が読んでくれています。
きょうだい児の純粋な視点は、きっと周囲からの偏見によって歪んでいくのだと思います。
娘が当時、周囲から何を言われ、何を感じたのかはわかりません。
ただ、「偏見」は、障害をもつ当事者だけでなく、周囲にいるさまざまな人を傷つける可能性があると思っています。
この絵本では、きょうだい児の純粋な視点をとおして、「フツウとは何か?」「障害は、かわいそうなのか?」そんな『偏見』を見つめ直してもらえればと思います。
【インクルーシブ社会へ】
現在、世界的に多様性を認めて皆が共に生きる「インクルーシブ社会」への変容が叫ばれています。
インクルーシブ社会とは、障害者などのマイノリティを排除せず、すべての人が公正に、一緒に生きる社会です。
その第一歩は、「多様性を認めること」であり、さまざまな障害や考え方、性格や文化があることを、『知る』ことから始めなければならないのだと思います。
長男を産む前のわたしは、今のわたしのような実情があることを、知りませんでした。
障害児のいる家庭は、どこか別の世界の話であり、目を向けることもありませんでした。
「知らない」ということは、それだけ社会がマイノリティを排除していることであり、当事者たちにとっても生きにくい社会といえます。
しかし、多くの人がマイノリティに目を向けることで、社会は変わっていきます。
そうなれば、息子も、きょうだい児である下の子たちも、きっと生きやすい社会になるでしょう。
まずは、『知って』ほしいのです。
そのために、絵本という媒体を用いて、発信しました。
小さな一歩ですが、何かこの世界を変える一助になればと思っています。
絵本作家 しょうじあいか
この絵本は、販売目的で作った絵本ではありませんが、気に入っていただいた方は購入も可能です。まずは動画を見ていただき、広めていただけるととてもうれしいです。
【寄付作品】幼児向け吃音絵本『ぼくのきもち』作:小山陽子 絵:kidsnaco
この絵本は、群馬県で吃音のあるお子さんと関わるお仕事をされている小山陽子さんからの発案でつくった幼児向けの吃音理解のための絵本です。
吃音に気付く前後の時期に絵本を通してお子さんに吃音の受け止め方を伝えるとともに大人にも吃音のあるお子さんとの接し方や対応の仕方を考えてもらう機会をつくりたいとのことで絵本脚本をご提供いただきました。
イラストは、小山さんの原案イラストをもとに、絵本屋だっこの所属作家であるイラストレーターのkidsnacoさんに描いていただきました。
素朴でやさしいイラストが繊細な子どもたちの気持ちやそこに寄り添う先生の優しさを
描きだしています。
絵本ストーリーは、北海道吃音・失語症ネットワークさん監修のもと、吃音当事者のご意見をもらいながら何度も修正のうえ仕上げています。
子どもたちの繊細な気持ちに寄り添った、優しいストーリーとなっています。
絵本の売り上げは、全額、NPOへの寄付になります。
▼YouTubeの読み聞かせ動画
『ぼくのきもち』
作:小山陽子
絵:kidsnaco
◾️絵本サイズ
A4スクエア
◾️対象年齢
5歳前後~
【寄付作品】10月20日出版『ありがたいなぁ』作:松田友紀 絵:しょうじあいか
▽サイズは2種類!
この絵本は、長崎でkawaikaという作家名で活動されている、リウマチのアクセサリー作家松田友紀さんとのご縁で、しょうじあいかが制作しました。
16歳でリウマチを発症し、関節の変形により全身が痛くて痛くて何もできず、一度は寝たきりも経験されたという、ゆきさん。
そんなゆきさんが今思うのは、ただただ、日常への感謝。
ゆきさんが作られるアクセサリーには、痛みや苦しみを乗り越えてきた、”いのちの時間”と”感謝”が詰まっています。
ゆきさんが伝えてくれる想いに、絵本作家しょうじあいかの想いも重ねて、作品を仕上げました。
絵本の売り上げは、全額、NPOへの寄付になります。
▼YouTubeの読み聞かせ動画
しょうじあいかが読ませていただきました。
『ありがたいなぁ』
作:松田友紀・しょうじあいか
絵:しょうじあいか
◾️絵本サイズ
大きめA4スクエア/小さめA5スクエア
◾️対象年齢
大人向け
【売り上げ寄付】障害があっても希望をもって「ゆめちゃんのいえで」作:kidsnaco
『ゆめちゃんのいえで』は、車いすに乗った女の子が、動物たちと力をあわせてある挑戦をする物語です。
物語に登場する動物たちは、なぜかコンプレックスを抱えています。
対して、車いすのゆめちゃんはというと、いつも前向き。”わたしなら何でもできる”と、自分を心から信じています。
そうしたゆめちゃんと動物たちの対比から、障害や個性の捉え方を考えていただければと思っています。
障害も個性も、捉え方は自分次第です。
絵本をきっかけに、インクルーシブな考え方が広がっていけばいいなと思っています。
英語版の絵本もあります♪
▼英語版の読み聞かせ動画
【売り上げ寄付】吃音を知る絵本「うまくしゃべれないぼくは、へん?」
この絵本は、北海道吃音・失語症ネットワークさまから依頼を受け、しょうじあいかが作成しました。
話すことに苦手さがありながら、吃音を知らず、ひとりで悩んでいる子どもたちへ向け作った絵本です。
脚本は、吃音当事者の方々からも意見をいただきながら、時間をかけて話し合いを重ねて作成しました。話すことに悩んでいる方の勇気になる一冊になればと思います。
この絵本は、北海道吃音・失語症ネットワークさまより、道内の言葉の教室や、各自治体の役所に配られる予定です。
Amazon版絵本の売り上げは、北海道吃音・失語症ネットワークさまのご意向により、全額、障害児支援のための寄付とさせていただきます。
▼読み聞かせ動画を公開しています
「うまくしゃべれないぼくは、へん?」作:しょうじあいか
■サイズ:A4スクエア
■対象年齢:5歳程度~
【吃音に関するお問い合わせ】
▼北海道吃音・失語症ネットワークHP
https://hokkaidokitsuonshitsugo.wordpress.com
【その他SNS】
https://twitter.com/hokkai_kitu?s=21&t=bw5o_VnNvBs2C-IxmjPnnQ
▼note(吃音のあれこれ、当事者インタビューなど)
https://instagram.com/hokkai_kitu?igshid=MzRlODBiNWFlZA==
【聴覚障がい児専門デイサービス】放課後デイサービス ふくろう
……吃音や聴覚障がいのあるお子さんを中心に、ことばの相談や練習をメインに活動。学習につまづきのあるお子さんも受け入れています。
〈問い合わせ・所在地〉
札幌市北区北32条西12丁目1-15 NUビル6F
070-4539-7211
kitsu.net.2021@gmail.com
※北海道吃音・失語症ネットワーク事務所への問い合わせもこちらへお願いいたします。
【売り上げ寄付】インクルーシブ絵本「みんなでたっち!」
この絵本は、絵本屋だっこオープン記念の作品として、多様な個性をもつ子どもたちの似顔絵をもとに制作しました。
障がいのあるお子さんには、身体認識や他者の認識などを目的とした発達支援のために、他のお子さんには障がいのある子どもたちはこんなに身近にいるんだよという意識づくりのためにご活用いただければと思っています。
この絵本には、うまれつき疾患をもって生まれたお子さん、経鼻経管や気管切開のためのカニューレをつけたお子さん、酸素をつけたお子さんなども登場します。
ぜひデイや療育施設、幼稚園、保育園、こども園などでご使用いただき、インクルーシブへの「気づきの種」をまいてほしいなと思っています。
▼読み聞かせ動画を公開しています
インクルーシブ絵本「みんなでたっち!」作:しょうじあいか
■サイズ:A4スクエア
■対象年齢:0歳~
【寄付作品】人との違いを受け止める絵本『穴の開いた人間ポー』作:ひらつかゆか
この絵本は、デザイナーの平紋(ひらもん)こと、ひらつかゆかさんが描かれた作品です。絵本屋だっこへの寄付作品としてご提供いただきました。
この絵本には、ゆかさん自身が感じた「病気を受け入れるまでの葛藤」が描かれています。
さすがデザイナーさん、表紙デザインまで完璧に作られた素晴らしい作品。物語は少しだけ、しょうじあいかのほうで表現の提案をさせていただきました。
ぜひみなさんも手にとって絵本を読んでみてください。
▼YouTubeの読み聞かせ動画
『穴の開いた人間ポー』
さく:ひらつかゆか
◾️絵本サイズ
A5横型
◾️対象年齢
5歳程度~
【売り上げ寄付】『3ねんと2かげつのいのち』作:しょうじあいか
絵本の出版日、2月27日は、18トリソミーの女の子、未紗ちゃんの命日です。
未紗ちゃんが亡くなってから、ちょうど1年の節目に、大切な絵本を出版させていただきました。
この絵本を作ることになったきっかけは、ある方からのこんなメッセージからでした。
わたしが実施したクラファン直後の、3月ごろだったと思います。
「クラファンの10万円リターンを、今からお願いできないか。未紗ちゃんという子のことを、絵本にしてほしい」
と。
その後、未紗ちゃんのお母さまとコンタクトをとらせていただき、これも何かのご縁と、絵本を作らせていただくことになりました。
寄付作品として、お金はいただかずに対応することにしました。
■絵本のこと
絵本で描いた内容は、未紗ちゃんのお母さまがこれまでに発信されてきたインスタグラムの文章から引用させていただきました。言い回しも、お母さまの言葉、ほぼそのままです。
未紗ちゃんが生まれてからの迷いや葛藤、喜び、きょうだいの気持ちなど、ご家族の過ごしてきた時間をそのまま感じていただけるかと思います。
未紗ちゃんが亡くなっておつらい状況のなか、気持ちを伝えてくださったご家族には感謝しかありません。
絵本は、ご家族の気持ちの整理ができてからの出版がいいと思い、お話が上がってからしばらく時間をいただき、未紗ちゃんが亡くなった1年の節目にださせていただきました。
■作者しょうじあいかの想い
わたしは、この絵本を通して、障害のある子どもをもった家族のこと、親やきょうだいの想いを、少しでも「知る」きっかけになればと思っています。
障害をもった子どもが生まれた当事者家族の気持ちは、なかなか自分ごとと捉えることは難しいと思っています。
わたし自身も、息子が生まれるまでは、障害という言葉、そうした世界はどうしても「他人事」でした。でも、実際には、すべての人が突然、マイノリティの世界に放り込まれる可能性があるのです。
突然の病気や事故 我が子が病気をもってうまれる可能性、
家族に、孫に、親に、大切な人に、突然の不幸が訪れることもあります。
そうした現実を知り、どれほど自分ごととして捉えるかで、社会は変わっていくと思います。
何か具体的に行動してくれなくてもいい。
ただ寄り添いの心でいてくれたら。
個人的にはそう思っています。
絵本は、読み聞かせ動画も公開しています。
どうか、知ってください。
▼YouTubeの読み聞かせ動画
YouTube動画で絵本を読んでくださったのは、眞鍋亜樹さん。市の認可外保育所をされてる保育士さんで、市議会議員さんだそうで。
医ケア児が保育所に入れるように動いてくださっているそうです。未紗ちゃんとも、遊んでくれたことがあるそうですよ。
とっても優しい読み聞かせ、ぜひ動画でみてみてくださいね。
『3ねんと2かげつのいのち~未紗が教えてくれたこと~』
さく:しょうじあいか
◾️絵本サイズ
B5スクエア
◾️対象年齢
大人向け
※この絵本の売り上げは全額、NPO法人絵本屋だっこへの寄付となり、障害児施設等への絵本配布資金となります。
【制作サポート作品】障害とは何かを考える絵本『星みーつけた』作:ながくぼたかよし
『障害』ってなんだろう?
この絵本は、生まれつき障害(殻,カラ)のある、たまスタちゃんの物語です。
たまスタちゃんは、生まれつき取ることができないカラのせいで、みんなと同じ生活ができません。しかしある時、カラがついているのは、自分だけじゃないと気づいたのです。
――障害の受け止め方、考え方が変わる一冊。
障害のあるお子さんがいるご家族へ。
そして、障害や特性に悩むすべての人へ。
あなたにも、心や体に「カラ」があるはず。絵本を通じて、『障害』とは何か、一緒に考えてみてください。
当事者とその家族にエールを贈る絵本。
▼YouTubeの読み聞かせ動画
『星みーつけた~カラってなんだろう~』
さく:ながくぼたかよし
絵:しょうじあいか
◾️絵本サイズ
A4スクエア
◾️対象年齢
5歳程度~
▽英語版もあります
▼【英語版】YouTubeの読み聞かせ動画
障害のあるお姉さまをもち、今は児童発達支援の事業所でお勤めの長久保さん。こちらの絵本には、障害をもつ子のご両親への思い、きょうだい児当事者としてのメッセージがつまっています。
長久保さんは今後、絵本から障害理解をひろめるため、こちらの絵本を関係機関へ配っていくご予定だそうです。
ぜひみなさまも、絵本から「障がい(カラ)ってなんだろう?」と考えてみてくださいね。
絵本屋だっこでは、今後も、障害理解を深めるような絵本を製作していきたいと思っています。