こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
ちょっとだけ自己紹介します。
【アイスってこんな人!】
- 寝ること・食べることが好きなアラフォー薬剤師
- 2人姉妹を育てており、次女が医療的ケア満載の重心児
- 資格・肩書
・心理カウンセラー
・睡眠コンサルタント
・絵本屋だっこピアサポーター
・NPO法人絵本屋だっこ副理事
福祉の支援やケアが必要な子の日常生活について、お母さん同士でおしゃべりしちゃう感覚でコラムを読んでもらえたら嬉しいです。

病気や障害がある子の入院にかかるお金と使える保険とは?医ケア児ママが体験談を交えて解説!!
いつ訪れるか分からない子どもの入院。
今回は、「子どもの入院」によって家族にどんな負担がかかるのか、そしてそのためにどんな準備ができるのかについてお話しします。
入院となると、お金の心配だけでなく、気持ちの負担や、仕事・家のことなど日常生活にもいろいろな影響がありますよね。
この記事では、入院にかかる費用やその負担を減らす方法、そして我が家で実際に入っている医療保険(共済)について、体験談を交えて分かりやすくご紹介していきます。
1.入院の負担は、主に3つ
子どもの入院は、家族への影響が大きいといえます。
子どもの入院では、単に入院費にとどまらない「経済的負担」、気持ちの面での「精神的・感情的負担」、きょうだいのケアや家庭生活における「生活上の負担」などがあげられます。
①経済的負担
・医療費
日本では子どもの医療費助成制度(自治体によっては「子ども医療費助成制度」や「こども医療費助成制度」など名称が異なる)があり、自己負担額が軽減される場合が多いですが、長期入院や高度な医療が必要な場合は費用がかさむこともあります。
・交通費・付き添い費用
病院への通院・付き添いにかかる交通費や、親の宿泊費・食費なども負担になります。
・仕事への影響
付き添いのために休職・時短勤務を取らざるを得ないことで収入減につながることも。
②精神的・感情的負担
・親の不安・ストレス
子どもの病状への不安や先行きの見えないストレス。
・兄弟姉妹への影響
入院中のきょうだいとの分離、きょうだいへのケア不足。
③生活上の負担
・家庭内の役割分担の変化
片方の親が入院に付き添うことで、もう一方の親に家庭の負担が集中する。
・兄弟姉妹の世話・学校対応
残されたきょうだいの世話や送り迎え、学校対応などが必要。
2.入院費、実際どれくらいかかるの?
入院と聞くと、「一体いくらかかるの?」と不安になりますよね。
でも、健康保険や公的な制度が使えることで、実は負担がぐっと軽くなるケースも多いんです。
ここでは、入院中にかかる主なお金と、我が家のケースをご紹介します。
入院中にかかる主な費用は、次のようなものがあります。
1.診察・検査・治療にかかるお金
診察や検査などの治療費には健康保険が使えるため、自己負担は2~3割です(所得や制度によって異なります)。
また、子どもの場合、多くの自治体で未就学児から高校生までの医療費を助成する制度があり、健康保険の自己負担額の一部または全額が助成される場合があります。
2.入院そのものの費用(ベッド・看護など)
入院費(入院における治療費)は、健康保険の対象となります。
3.食事代
入院中の食事は「療養食」として提供され、1食あたりおよそ500円ほどです。
これは保険の対象外のため自己負担になります。
ただし、小児慢性特定疾病や指定難病、住民税非課税世帯など、所得や病状によっては標準負担額が減額される場合があります。
4.差額ベッド代(個室など)
個室や特別な部屋を希望した場合、1日1万円前後の自己負担がかかることもあります。
ただし、病院側の都合で個室になった場合は無料になることもあります。
5.病衣代
病院により「病衣代」が自己負担でかかるケースがあります(無料のところもあり)。
【体験談】アイス娘の入院にかかった費用

さて、ここで、うちのケースをご紹介します。(小児慢性指定、呼吸器装着の医療的ケア児)
うちの子は、小児慢性特定疾病の医療受給者証を使っていて、人工呼吸器を24時間使っている状態です。
そのため、助成割合が高く、医療費の負担はそこまでありません。
・医療費は月500円でストップ
小児慢性の助成で、自己負担がとても少なくなっています。
・個室でもお金がかからない(付き添いなし)
呼吸器を使っていることで感染対策などが必要なため、病院の判断で個室かPICU(集中治療室)に入ることがほとんどです。
このように「病院側の都合」で個室になる場合は、差額ベッド代(本来なら有料)が無料になります。
・食事代も無料
うちの子は口から食べるのではなく、鼻からチューブで栄養剤を入れているので、「食事代」としての請求はありません。保険でカバーされています。
3.入院でかかる意外な出費〜親の宿泊・食事・交通費〜
子どもが入院することになったとき、病院によって「親の付き添い」が必要かどうかや、そのルール・費用は少しずつ違います。
病院に支払うお金としては、「健康保険でカバーされるもの(=一部負担ですむもの)」と、「健康保険ではまかなえないもの(=全額自分で払うもの)」があります。
ここでは、公的保険である健康保険でまかなえない出費についてご紹介します。
①日用品や雑費
おむつやおしりふき、洗面用具(ボディウォッシュ、シャンプーなど)、テレビカードなど、毎日の生活に必要な細々としたものが必要になる場合があります。
②付き添いが必要な場合の費用
付き添いが必要な場合、病院により以下のような費用がかかる場合があります。
- 付き添う親の寝具のレンタル代(病院により無料~1日400円程度)
- 食事代(病院により提供あり/なし・1食500円程度)
- 洗濯代(病院に有料洗濯機設置など・1回100円程度)
㉝付き添いが不要な場合の費用
付き添い不要でも、病院が自宅から遠い場合には、以下のような費用がかかる場合があります。
- 病院までの交通費
- 駐車場代
- 近くに泊まるときの宿泊費
④きょうだいのケアにかかる費用
他にきょうだいがいる場合は、以下のような費用がかかる場合があります。
- 保育園や学童に預ける費用
- 外食の出費
なお、これらの費用の一部は、民間の保険(医療保険やこども保険)によって補填される場合もあります。
4.医療費助成制度を使いこなそう!

子どもが入院した場合にかかる費用は、年齢や住んでいる地域、保険制度、入院する医療機関などによって異なります。
①子どもの医療費助成制度(自治体による)
多くの自治体では、子どもの医療費を助成しています。
一定の年齢まで医療費(入院・通院)の自己負担分が助成されます。
②健康保険(公的保険)
・高額療養費制度
病院にかかったときに、1か月のうちに支払う医療費がとても高くなってしまった場合、ある金額を超えた分は、あとからお金が戻ってくる制度です。
たとえば、「たくさん入院して思ったよりお金がかかった…」というときに、負担を軽くしてくれる仕組みです。
子どもでもこの制度は使えます!
入院や手術、お薬などで、自己負担(実際に払うお金)が高くなったとき、
子どもが健康保険に入っていればOK(親の扶養に入っている場合も大丈夫)です。
国民健康保険でも、会社の保険(社会保険)でも使えます。
・小児慢性特定疾病医療費助成制度
厚生労働省が定める「小児慢性特定疾病」に指定された病気にかかっている18歳未満の子ども(例:小児がん、糖尿病、先天性心疾患など)が対象です。
指定された医療機関での診療・薬剤費の自己負担が軽減されます(原則1割、所得により月ごとの上限あり)
5.子どもの入院や看病にまつわる「もしもの時の支援制度」

子どもが入院したり、家族の看病が必要になったりすると、仕事を休まざるを得ないこともありますよね。そんなとき、知っておくと助かる支援制度をいくつかご紹介します。
2.介護休業給付金(雇用保険)
子どものために仕事を休まなければならなくなったときには、介護休業給付が受けられる可能性があります。
一見「介護」という言葉から高齢者をイメージしがちですが、重い障害や医療的ケアが必要な子どもも対象になることがあります。
<介護休業給付とは>
「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」の家族を介護するために、介護休業を取った場合に、給料の67%が保障される制度です。
- 対象者:雇用保険に入っている会社員
- 支給条件:家族の介護のために仕事を休む場合(最長93日間)
- 支給額:休業前のお給料の約67%
たとえば、医療的ケア(胃ろう・たんの吸引など)が常に必要なお子さんがいる場合、介護対象と認められることもあります。
給付を受けるにはハローワークへの申請が必要です。
2.傷病手当金(健康保険)
基本的には「親が病気のとき」の制度です。ご自身が入院付き添い等で体調を崩した際などに活用できる可能性があります。
<傷病手当とは>
傷病手当は、会社員や公務員など「健康保険」に加入している人が、自分自身の病気やケガで働けなくなったときに受け取れる手当です。
・対象者:会社員・公務員など健康保険加入者
・支給条件:自分の病気やけがで仕事を休む必要がある場合(※育児や看病だけでは対象外)
ただし、親自身が体調を崩して子どもの看病ができない場合など、例外もあります。
・支給額:お給料の約3分の2(最長1年6か月)
基本的には「親が病気のとき」の制度ですが、知っておくと「こんな時も対象になるかも?」と考えるきっかけになるかと思います。
対象になりそうなときは、健康保険組合または協会けんぽへ相談してください(会社員なら人事や総務担当へ)。
3.その他の制度
以下の制度も、状況に応じて活用できるかもしれません。
・有給休暇/看護休暇
年次有給のほか、子どもの病気に使える「看護休暇(年5日・子どもが2人以上の場合は年10日まで)」もあります。
・時短勤務や柔軟な働き方
時間単位での休暇取得が可能な職場も。勤務先に制度がないか、一度確認してみましょう。
・会社独自のサポート制度
企業によっては、休職中の給与補助や特別休暇制度がある場合もあります。
・医療費が高額になったときは「医療費控除」
1年間の医療費が一定額を超えた場合は、確定申告で医療費控除を申請すると、税金の一部が戻ってくることがあります。
医療費だけでなく通院のための交通費や家族の医療費、薬代も対象となりますので、領収書やレシートはしっかり保管しておくのがポイントです!
6. 病児や障害児でも加入可能な保険「コープ共済《たすけあい》J1900」とは

子どもの入院やケガなど、予期せぬ事態に対する備えのひとつとして、保険への加入があります。
医療的ケア児は病気や障害があり、保険には入れないと諦めてる方も多いのではないでしょうか。
実は、病気や障害を持つお子さんでも加入しやすい医療保険があるのです。
その名は、コープ共済《たすけあい》J1900コースです。
下記にコープ共済《たすけあい》J1900コースの補償内容や加入条件をご紹介します。
1.コープ共済《たすけあい》J1900コースの特徴
- 加入対象:0歳から満19歳までのお子さん(発効日時点)
- 保障期間:満30歳の満期日まで
- 月掛金:1,900円
2.コープ共済《たすけあい》J1900コースの保障内容
- 入院保障:病気やケガによる入院を1日目から最大360日分、日額5,000円
- 通院保障:ケガによる通院を1日目から最大90日分、日額2,000円
- 手術保障:手術の内容に応じて1万円、5万円、10万円、20万円の給付
コープ共済《たすけあい》J1900コースは、リハビリ入院(親子入院)も対象になるため、お子さまの病気等がわかった場合、早めに加入しておくのがおすすめです。
入院の領収書と申請書を提出すれば、1日5,000円×入院日数分の給付金を受け取ることができます。
3.コープ共済《たすけあい》J1900コースの加入条件
加入の際の質問は、以下の2つだけ。
・現在、入院中ですか?
・現在、医師から「今後1年以内の入院または手術」をすすめられていますか?
これらの条件に該当しなければ、持病や障害があっても加入可能です。
4.満期後の移行について
満30歳の満期を迎えた後は、健康状態に関わらず大人向けの「V2000コース」などに移行できるため、長期的な保障が可能となっています。
7.【体験談】保険加入のきっかけ

加入を決めたきっかけは、想定外の毎日に、経済的備えが必要だと気づいたことです。
私は、元々子どもの民間保険は不要との考えでした。
なぜなら、公的保険である健康保険で、治療費については大部分がカバーできるからです。
しかし、娘の最後の心臓手術(フォンタン手術)の後に考えが変わりました。
先天性心疾患のある娘は、当初予定されていた手術をすべて無事に終えるはずでした。しかし、思いがけないトラブルにより、娘は低酸素脳症(蘇生後脳症)という重い障害を負うことになりました。
その結果、気管切開や人工呼吸器の使用、経管栄養による食事管理、四肢麻痺、そして脳障害に由来するてんかん発作など、24時間体制の医療的ケアが必要な寝たきりの状態となりました。
生活は一変し、娘は以前にも増して体調を崩しやすくなりました。医療的ケア児は、風邪ひとつでも重症化しやすく、入院の頻度が一気に増えたのです。
在宅医療に切り替えてからも、訪問薬局による調剤ミスや、ショートステイ先での人工呼吸器の加湿トラブルなど、保護者の見えないところで命に関わる危険が何度も起きました。
また、入院するとそのまま長期化することが多くなり、面会のたびにかかる交通費・日用品・食事代など、経済的な負担も少しずつ重くのしかかってきました。
「このままでは心もお金ももたないかもしれない」
そう思い始めた頃、私は経済的リスクに備える方法を探し始めました。
SNS(X、Instagram)でのリアルな情報収集を行い、情報を集める中で出会ったのが民間の医療保険「コープ共済」です。
子どもの既往歴によっては加入が難しいケースもあるかもしれません。
幸いうちの娘は加入することができたため、少しずつ安心感が戻ってきました。
8.おわりに
医療的なケアが必要な子どもや、障害のある子どもを育てている親御さんは、「この先どうなるんだろう?」と、体調の急な変化に不安を感じることが多いと思います。
どんなに「子どもを優先したい」と思っても、毎日の生活は待ってくれませんよね。
だからこそ、「いざというとき」に慌てなくていいように、今のうちにできることをしておくことが大切です。
たとえば
使える制度を前もって知っておくことは、心のゆとりや家計の安心につながります。
不安がある方は、市役所や区役所の福祉の窓口、あるいは病院の相談員さん(医療ソーシャルワーカー)に、気軽に相談してみてくださいね。
そして、いちばん伝えたいのは
「どうか一人でがんばりすぎないで」ということです。
悩んだり迷ったりするのは、あなただけじゃありません。
お子さんやご家族にとって、今いちばん大事なことは何か。どんな制度やサポートがあるのか。そして、これから成長していく中でどんなことが出てくるのか。
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