【応募キャラから生まれた、重度障害の女の子が主人公の絵本】

本日、12月1日、絵本屋だっこから
新作絵本『ひらけ!こころマップ』を出版しました✨

絵本屋だっこでは、2023年4月のオープン以来、毎年「インクルーシブ企画」として、障害の有無を問わない読者参加型の絵本を制作しています。
本作はその第3弾。重度障害のある女の子を主人公に描いた絵本です🌈
■重度障害の女の子が主人公
今回の企画では、最初に【重度障害児の女の子を主人公にする】という方針だけを決め、その子の夢を叶える【キャラクター】を皆さまから募集しました。
40体の応募キャラの中から、絵本屋だっこの内部メンバーの投票により、8体を採用✨
キャラの作者は、一般の方から、さまざまな特性を持つ方々まで多様です。
そのキャラたちが持つ設定や個性から、わたし、しょうじあいかがストーリーを構成しました☺️
<あらすじ>
車いすで寝たきりの女の子、つむぎ。 ある日、不思議なキャラクターが現れ、つむぎを『ねがいのせかい』へ連れて行きます🌈個性豊かなキャラクター達とのさまざまな体験の中で、つむぎの見つけた、本当の願いとは…。
<設定>
キャラたちは、昔、寂しい思いをしていた子どもたち。誰かを幸せにしたいとねがい、自分の好きな能力・見た目で「ねがいのせかい」の住人になりました。
ねがいのせかいへ訪れた子どもたちの願いを叶えてあげることが、キャラ達の使命であり願いです。
■絵本に込めた願い
この絵本企画の目的は、さまざまな背景を持つ子どもたちや参加者に、絵本づくりの経験を通じて「自信」と「勇気」を持ってもらうことです。
そして今回は、個人的な気づきや願いも込めました。
以下、絵本の最後のページに入れさせていただいた文言です。
この子は、この子として生きているだけで、世界をやさしくしてくれる存在なんだ。
そう気づいたとき、わたしは救われました。
この絵本が、誰かにとっての小さな救いになれば、うれしいです。
――重心児の母 しょうじあいか
■親としての思い
重度障害のある子を主人公にすることは、ときに賛否を呼びます。
当事者には、偽善では語れない現実があるからです。
だからこそ、”誰が発信するか”は大事だと思っています。
わたしは、重度障害のある子どもの母親です。
また、絵本イラストも、重度障害や医療的ケアのある2歳のお子さんのお母さまである、のだそのえさんにお願いしました。
親として、「わが子の存在意義」を考えずにはいられないことがあります。
「社会に生かされているだけなのではないか…」
「この子と、どう生きていけばいいのか…」
そんな中、息子から得た気づきがあります。
『この子は、この子であることで、世界をやさしくしてくれる存在なんだ』
この気づきは、わたしにとっての救いであり、希望になりました。
この子は、この子のままでいい。
そう思えるきっかけを、今回の絵本が与えられたなら、絵本をつくった意味があると思っています。
■さくらンダーとの特別なご縁
「ひらけ!こころマップ」のストーリーの中で、主人公つむぎに、大切な気づきを与えてくれるキャラがいます。
それは、『さくらンダー』という、ヒーローキャラです。
彼は、すべてを悟り、障害のあるなしにかかわらず、すべての人にやさしく寄り添います。
そんなキャラ設定の陰には、彼の特別な歴史があるのです。
■絵本『ワタルがわらった』
みなさん、『ワタルがわらった』という絵本をご存知でしょうか?
約20年前、ある特別支援学校の実話をもとに、誕生した絵本です。
アトリエ・UNOの、へのへの(野本)さんという方が描かれました。
さくらンダーは、1999年に桜が丘養護学校の生徒たちが考えたキャラ🌸
右脳クラブと呼ばれるあるクラブにて、重度障害のあるワタルを笑わせるために、生徒たちが考案し生み出したキャラなのです。
絵本に登場する当時の生徒、4人のうち3人はすでに旅立たれているそうですが、長崎の地で、さくらンダーは現役で活動されています。
今回の「ひらけ!こころマップ」へのキャラクターご応募は、コラボ出演という形で作者の野本さんがご提案くださりました。
絵本を作った当時に願った障害理解が、20年たった今も、こうして世間に訴えられ続けている現実をみて、ふたたびさくらンダーの力を貸してくださいました。
さくらンダーの重要なセリフは、一部、野本さんにアイデアをいただいています。
すべての人にやさしく寄り添いながら、長い年月をみてきた さくらンダーだからこそ、言えるセリフだと思っています。
ぜひ、絵本でご覧いただければと思います。
この絵本が、少しでもだれかの勇気や希望につながることを願って。
インクルーシブ絵本作家
しょうじあいか
ーー
【売り上げ寄付】12月1日出版 『ひらけ!こころマップ』|絵本屋だっこ二周年記念・みんなでつくる絵本企画第三弾

※この絵本は、2023年4月にオープンした絵本屋だっこの2周年を記念して制作したものです。全国からキャラクターイラストを募集し、採用キャラの設定からストーリーを考案、絵本化しました。
この絵本の売り上げは、すべてNPO法人絵本屋だっこにて、絵本から障害理解を広める活動に使わせていただきます。
▪️あらすじ
車いすで寝たきりの女の子、つむぎ。 ある日、不思議なキャラクターが現れ、つむぎを『ねがいのせかい』へ連れて行きます🌈個性豊かなキャラクター達とのさまざまな体験の中で、つむぎの見つけた、本当の願いとは…。
<設定>
キャラたちは、昔、寂しい思いをしていた子どもたち。誰かを幸せにしたいとねがい、自分の好きな能力・見た目で「ねがいのせかい」の住人になりました。
ねがいのせかいへ訪れた子どもたちの願いを叶えてあげることが、キャラ達の使命であり願いです。
▪️対象年齢
・5歳程度~
重度障害児を育てるママたちにも読んでいただきたいです。
▪️サイズ・ページ数
A4スクエア(21cm×21cm)
オールカラー・40ページ
▪️活用いただきたいシーン
・学校や保育園での読み聞かせ教材として
・重度の障害のある子について考える機会に
・家庭で感情や違いを学ぶきっかけとして
■作者の想い
この子は、この子として生きているだけで、世界をやさしくしてくれる存在なんだ。
そう気づいたとき、わたしは救われました。
この絵本が、誰かにとっての小さな救いになれば、うれしいです。
—— 重心児の母 しょうじあいか
▼YouTubeの読み聞かせ動画
『ひらけ!こころマップ』
作:しょうじあいか
絵:のだそのえ
キャラ:応募してくれたみなさん
◾️絵本サイズ
A4スクエア
◾️対象年齢
5歳程度~
友情出演のさくらンダー登場絵本『ワタルがわらった』

<あらすじ>
舞台は、 桜が丘特別支援学校(長崎県)のあるクラス。そこに通う少年、ワタルは、生まれつき脳に障害があり、言葉や体の動きで自分の気持ちを伝えることが難しい子です。
そんな彼を笑わせたいと願った特別支援学校の仲間たちは、工夫を重ね「さくらンダー」というオリジナルヒーローを生み出します。
仲間の思いや創造力が、ついにワタルの心を動かし、笑顔を引き出す――
「笑い」の奇跡が生まれる、実話に基づいた心あたたまる絵本。
▽絵本のご購入先


