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この子に今、できること|脳のダメージがある子へのプレゼント 

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こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
ちょっとだけ自己紹介します。

【アイスってこんな人!】

  • 寝ること・食べることが好きなアラフォー薬剤師
  • 2人姉妹を育てており、次女が医療的ケア満載の重心児
  • 福祉の支援やケアが必要な子の日常生活について、お母さん同士でおしゃべりしちゃう感覚でコラムを読んでもらえたら嬉しいです。

この子に今、できること|脳のダメージがある子へのプレゼント 

「この子のために、何かしてあげたい」

低酸素脳症(低酸素性虚血性脳症)と診断されたあと、私の頭の中はずっとこの言葉でいっぱいでした。

脳にダメージがあると聞いた瞬間、

 

 「もう成長しないの?」


「今からできることはあるの?」


そんな不安が一気に押し寄せてきたのを、今でもはっきり覚えています。

 

今後の生活について想像もできず…

 

何をすればいいのか分からない。

 

何が正解なのか分からない。

 

ただ時間だけが過ぎていく。

 

私も悩んできました。

 

この子にとって、”楽しめるもの”って、何だろう?

1.薬剤師ママとして、そして一人の母として

私は、低酸素脳症(低酸素性虚血性脳症)の子を育てています。

心臓手術後に心停止。

わが子の脳障害のレベルは重く、

医師からは

「一生寝たきり、四肢麻痺。

24時間の医療的ケアも必要。

視覚も聴覚も、どこまで残っているのかわからない。意識状態も不明」

と言われました。

医療の世界に身を置いてきたはずなのに、

 

いざ自分の子供のことになると、

 

教科書的な知識はほとんど役に立ちませんでした。

 

低酸素脳症については、治療薬があるわけでも、確実な予後が示されるわけでもない。

 

「子どもの脳の可能性を信じて、様子を見ていきましょう」という言葉の曖昧さに、何をどのように信じたらいいのか…

 

何度も立ち尽くしました。

 

それでも、ただ待つだけではいられず、

調べていく中で出会ったのが、

脳には“使われることで変わろうとする力がある”

という考え方でした。

2.五感への刺激が、脳へのプレゼント?

今まで医療に関わってきた中で、「エビデンス(根拠)」はとても大切だと学んできました。

ただ、わが子の育児では、数値や画像からの評価だけでは測れないことばかりです。

低酸素脳症、脳障害、脳の可塑性(脳が変化する力)、発達、脳波、感覚刺激…

そこで、専門書や論文を読み漁る中で、ある共通点に気づきます。

それは、「脳は刺激が入ることで回路を使い、つながりを作ろうとする」という点でした。

 

生活の中で、

・繰り返し

・安全に

・無理なく

入れることができる刺激が大切なのではないか?

 

そう考えるようになり、

五感への刺激」を見直しました。

 

見る・聞く・触れる・嗅ぐ・味わう

 

3. 脳の可塑性とは?

 

脳の可塑性(かそせい)とは、

脳が経験や学習、損傷に応じてその構造や機能を変化させる能力のことです。

 

簡単に言うと

脳は、使われることで、少しずつつながり方を変えていく力を持っている

という考え方です。

 

かつては、「脳の細胞は一度失われると再生しない」と考えられていました。

 

しかし、近年の研究によって、 

 

適切な刺激を与えることで、 

 

神経細胞のネットワークが再構築され、

 

損傷を受けていない部分が失われた機能を補うことができると分かってきました。

 

つまり、脳はトレーニング次第で回復し、新しい道を切り開くことができるかもしれないのです。 

 

脳にダメージがある場合でも、 

 

残っている神経回路が刺激を受けることで、

 

新しい役割を担ったり、

 

別のルートを作ろうとする可能性があることが研究の中で示されているようです。

 

脳にダメージがある=もう何も変わらない、ではありません。

 

もちろん、失われた細胞が元に戻るわけではありません。

 

限界もあると思います。

 

しかし、 

この可能性を信じて子どもに接することが、

 

脳のダメージがある子への、

 

今できる最大のプレゼントなのかもしれない。

 

そう思うようになりました。

 

この後、私は論文で得た知識をもとに、

 

「どこでもできる五感への刺激」

 

を少しずつ生活に取り入れていきました。

 

次の章では、

 

「五感への刺激」について実際に私がどんなことを意識し、 

 

何を試してきたのかを書いていこうと思います。

 

「脳のデータで見るよりも格段に反応が良い」と医師に言われるようになった、

 

わが子の意識を取り戻すために行った

5つのこと。

 

4.視覚:「一緒に見る」を大切に

おすすめのプレゼント

  • 絵本
  • DVD
  • モビール
  • メリー

特に、絵本はわが家の定番です。

視覚➕聴覚➕触覚が自然に重なる、とても優秀な刺激だと感じます。

ポイントは、内容を理解してもらうことよりも、一緒に見ること。

  • 色や形がはっきりしたもの
  • 1ページに情報が多すぎないもの
  • 同じ絵本を何度も繰り返す

また、DVDやテレビも完全に避けるのではなく、

  • つけっぱなしにしない
  • できるだけ一緒に見る

ことを意識しました。

小さな視線の動きや、

ほんの一瞬の表情の変化も、

「今、届いているんだな」と感じられる

大切なサインでした。

 

5.聴覚:音は、脳にまっすぐ届く刺激

<聴覚:音の刺激におすすめのプレゼント>

  • 語りかけ
  • 音の出る絵本
  • CD

・リラクゼーションミュージック
・オルゴールミュージック
・おとえほん(日本昔話など)

聴覚は、目を開けていなくても届く感覚です。

 

また、最期まで機能が残る部位だと言われています。


だからこそ、脳にダメージがある子にとって、とても大切な入り口だと感じました。

音楽は、生活の中でそっと流すことを意識しました。

同じ曲を、繰り返す。

絵本の読み聞かせや、家族の声、語りかけも大切にしてきました。

論文を読んでいて、特に印象に残ったことがあります。


それは、 

 

機械音よりも、

 

人の声のほうが脳への影響が大きいという点でした。

 

ママだけでなく、

 パパ、きょうだい、家族みんなの声。

  • 「おはよう」
  • 「今から抱っこするよ」
  • 「気持ちいいね」

たとえ、意味が分かっていなくても大丈夫。


感情のこもった声は、それだけで脳への刺激になります。

 

「話しかけても分からないかも」と思わなくていい。


語りかけること自体が、立派なプレゼントだと感じています。

 

6.味覚:口から入る刺激も、脳につながっている

<味覚:口の刺激におすすめのプレゼント>

  • うがい不要で使える歯磨きジェル
  • 味付きの口腔ケアジェル
  • 口腔ケアスポンジ
  • 小さめの歯ブラシ

味覚や口の中の感覚も、

脳ととても深くつながっているそうです。

 

入院中など、食べることが難しい時期でも、口腔ケアという形で刺激を入れることを意識していました。

口腔マッサージや歯磨きの時間が、

そのまま感覚遊びになることもあります。

 

「ケアしているだけ」に見えても、

口の中の感覚は、しっかり脳とつながっています。

 

最初は嫌がることもありましたが、

 

無理はせず、

 

できる範囲で。

 

「今日は少し触れた」


それだけでも十分だと思って、ケアを行っていました。

 

7.嗅覚:香りは、感情と記憶に直結する

<嗅覚:香りの刺激におすすめのプレゼント>

  • 精油を垂らすだけ(火を使わない)のアロマストーン
  • ボディオイル、ボディクリーム
  • ハンドクリーム、ハンドジェル
  • ルームスプレー
  • ディフューザーで短時間
  • ガーゼやティッシュに1滴だけ

嗅覚は、五感の中でも少し特別です。

 

香りは、考える前に感情や安心感に直接届く感覚だと言われています。

そのため、

脳にダメージがある子にとっても、

「心地いい」と感じる体験を、


言葉を使わずに届けられる刺激だと感じました。

香りの力を使うポイントは、

ママ自身が心地よいと感じる香りを選ぶこと。

ほんのり香る程度で十分です。

香りと一緒に行うマッサージは、

嗅覚と触覚、両方にやさしく届きます。

私は、親子そろって「リラックスする時間」を作るイメージで取り入れていました。

※刺激に敏感な子もいるので、最初は必ず少量から様子を見ることを大切にしました。

 

8.触覚:一番原始的で、安心につながる感覚

<触覚の刺激におすすめのプレゼント>

  • 頭皮ケア用マッサージブラシ
  • メイクブラシ(手先・足先をこちょこちょ)
  • ガーゼおくるみ
  • タオル
  • ふわふわブランケット、つるつるした布(接触冷感の素材など)
  • 布絵本(ガサガサ音が鳴る素材も入っているのがおすすめ)

触覚は、生まれてすぐから使える感覚です。


そして、安心感と強く結びついている感覚でもあります。

 

抱っこやスキンシップ、

 

マッサージやタッチケア、

 

さまざまな素材に触れる体験。

 

特別な技術は必要ありません。

 

ゆっくり、やさしく、声をかけながら。

 

「何もしていない時間」に見えても、

たくさんの刺激が重なっています。

 

9.全部やらなくていい

 

ここまで読むと、

「全部やらなきゃ」と感じるかもしれません。

 

でも、全部できなくても大丈夫です。

 

今日は声かけだけ。

 

今日は絵本だけ。

 

今日は抱っこだけ。

 

それで十分です。

 

ママが疲れきってしまう関わりは、

長く続きません。

 

続けられる形が、

いちばんの正解だと思っています。

10.まとめ

脳にダメージがあると聞いたとき、

 多くのママが思うのは

「この子のために、何ができるのか?」

という気持ちだと思います。

でも、

 

 何をすればいいのか分からない。

 

何が正解なのか分からない。


焦る気持ちだけが大きくなってしまう。

 

私も、まさにそうでした。

 

実際に試してきた中で感じたのは、


特別なことをしなくても、

できることはたくさんあるということです。

 

五感への刺激――

 

・見る


・聞く


・触れる


・嗅ぐ


・味わう

 

それは、 日常の中にいくらでもあります。

絵本を一緒に見ること。

 声をかけること。

 音楽を流すこと。 

香りを感じながらマッサージすること。

 口の中をやさしくケアすること。

どれも、「今すぐ」「家で」「無理なく」できることばかりです。

脳の可塑性――
脳には、使われることで変わろうとする力があります。

もちろん、魔法のようにすべてが変わるわけではありません。

 でも、
何も届かないより、少しでも刺激が届くほうがいい。

 私は、そう信じています。

そしてその刺激を、


一番安心できる人、

 

ママや家族から受け取れることは、 

 

 それだけで大きな意味があると思っています。

 

11.おわりに

脳にダメージがある子へのプレゼントは、

物ではなく、

五感を通して世界を届ける時間。

そしてそれは、

ママ自身の

「やってあげられている」という気持ちも、

そっと支えてくれるものだと思います。

今日も、できることをひとつだけ。

それでいい。

私も心身がしんどい時には、

子どもと一緒に横になって

ディズニーのDVDを見たり、

うとうと昼寝をしたり、

YouTubeで絵本屋だっこの絵本の読み聞かせを流したり。

このコラムが、

 

同じように悩むママの、

 

ほんの少しの安心につながったらうれしいです。

そして、いちばん伝えたいのは

「どうか一人でがんばりすぎないで」ということです。

悩んだり迷ったりするのは、あなただけじゃありません。

長く続くケアが必要な子との生活、

ヒントが見つかるかもしれない「絵本屋だっこ」の体験談を、ぜひ読んでみてくださいね。

コラムでは、乳幼児から成人した子どもとの暮らしについて、ママたちが回答しています。

 

親子ともに、心身ともに無理ない暮らしを長く続けていく方法をみんなで考えていきたいですね♪

 

 

*絵本屋だっこのコラムに関しては、全ての方に当てはまる情報ではございません。

投稿された情報の利用により生じた損害については、絵本屋だっこでは責任を負いかねます。あくまでもご家庭での判断のもと参考情報としてご利用ください。また、特定の施設や商品、サービスの利用を推奨するものではありません。

 

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