こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
ちょっとだけ自己紹介します。
【アイスってこんな人!】
- 寝ること・食べることが好きなアラフォー薬剤師
- 2人姉妹を育てており、次女が医療的ケア満載の重心児
- 福祉の支援やケアが必要な子の日常生活について、お母さん同士でおしゃべりしちゃう感覚でコラムを読んでもらえたら嬉しいです。
医ケア児ママが選ぶみんなにやさしい絵本の時間📕『かみさまからのおくりもの』が教えてくれたこと
育児にケアに家事に書類に通院…
毎日やることが盛り沢山で、いつの間にか夜になっている。
一日が終わるころには、ヘトヘト。
「もう無理…」と感じること、ありませんか?
こちらのコラムでは、障害の有無や発達のペースに関係なく、どんな子にもやさしく寄り添ってくれる絵本を、ひとりの「がんばるママ」として紹介していきます。
子どもに読み聞かせながら、実はママ自身の心にもじんわりと効いてくる絵本を中心に。
今回は、優しい雰囲気の貼り絵がパッと目をひく絵本を紹介します。

『かみさまからのおくりもの』(ひぐちみちこ 作)
この絵本では、神さまが赤ちゃん一人ひとりに「おくりもの」を授けてくれるというストーリーが、貼り絵風のやさしい世界で描かれています。
出産祝いにもおすすめされている、ファースト読み聞かせにぴったりの絵本です。
【こんなときに読みたい】
- 子どもの「今」をまるごと愛したいと思う日
- 将来の不安に押しつぶされそうになった日
- 子どものできないことばかりを考えてしまう日
【この絵本がくれるもの】
- 「わが子にも、たしかに“おくりもの”がある」ということを思い出させてくれる
- 障害の有無ではなく、存在そのものの価値に目を向けられる
- 親自身が子どもを受け入れる気持ちをそっと整えてくれる
- 子どもの個性を改めて気づかせてくれる
1.ママになって、いちばん最初に出会った絵本
実は、こちらは、私がママになってはじめて購入した記念すべき絵本なんです。
子どもへの絵本を探していたときに、本屋さんでふと目にとまった一冊。
それが『かみさまからのおくりもの』(ひぐちみちこ 作)でした。
表紙のやわらかいタッチの絵と、「おくりもの」という言葉に心惹かれました。
神さまを信じていない私にもなぜかスッと心に入ってくるストーリー。
そして何よりも、この絵本は、読み聞かせをする大人の心にもそっと寄り添ってくれる、不思議な温かさを持っています。
2.どの子にも「かけがえのない贈りもの」がある
この絵本では、赤ちゃんが生まれるたびに、神さまがそれぞれの子に「おくりもの」を届けてくれます。
たとえば
「ほっぺの赤いあかちゃんには、よく笑う明るさを」
「すやすや寝ているあかちゃんには、やさしさを」
そのおくりものは、見た目や発達の程度には関係なく、どの子にも等しく届けられるもの。
すべての子どもが、かけがえのない存在だということを、とても自然に優しい言葉と絵で語ってくれます。
先天性疾患を持って生まれてきた医療的ケアが必要なわが子にも、きっと神さまから届いた「この子にしかない贈りもの」がある。
そんなふうに感じられたとき、わが子を見る目が少し変わった気がしました。
目には見えにくいけれど、笑顔だったり、まわりを和ませる雰囲気だったり、とその子らしさに気づくきっかけとなりました。
この子だけが持っている宝物。
読むたびに、「わたしもこの子も、だいじょうぶ」って思わせてくれる絵本です。
何度も何度も繰り返し読みたくなります。
3. 言葉にならなくても感じる、心で通じ合う時間
私の娘は、かっては動ける医療的ケア児でした。
手術後に、高度な医療的ケアが必要な重症心身障害児となりました。
脳に障害を負ったわが子への語りかけや読み聞かせは、はじめの頃は反応がほとんどなくて、絵をじっと見ていられない日もありました。
医師からは、「脳のダメージがとてもひどく、視覚や聴覚がどこまで残っているかは、はっきりとは分かりません」と言われたこともあります。
それでも私は、「脳にはまだ解明されていない力がたくさんある」という話を知り、希望を持って、脳への刺激になることを探しはじめました。
特に子どもは、画像や検査では見えない神経の根っこの繋がりにより、傷ついた部分を別のルートで補うように成長していくこともあるのだそうです。
だからこそ、反応がなくても、そっと隣に座って、やさしく語りかける時間を大切にしてきました。
絵本の読み聞かせは、入院中の寝たきりの状態でもできる触れ合い遊びです。
この絵本は、文章が短く、リズムもゆったりしていて、読む人の心をほぐしてくれます。
読む私の表情がほころび、声のトーンも自然とやさしくなる。
それが伝わっているのか、子どももふわっと表情をゆるめて微笑んだり、安心したような目を向けてくれるようになりました。
4.「がんばるママ」へのおくりものにもなる絵本
子どものために選んだ絵本が、気づけば、自分自身の心をそっと抱きしめてくれるような存在になっている。
そんな経験を、私はこの絵本で初めて味わいました。
毎日、終わりがない医療ケアやリハビリ、通院や書類との格闘で、気づけば息が詰まりそうになる。
そんなときにこの絵本を開くと、「ああ、この子はこの子のままでいいんだ」と、少しほっとします。
5.読み聞かせの時間が、親子の絆を深める
言葉のリズムも優しく、絵の世界観もふんわりしているので、赤ちゃんのファースト読み聞かせにもぴったり。
発語が難しい子にも、絵を一緒に見たり、繰り返しのリズムを楽しんだりすることで、心の交流が生まれます。
絵本を読み終わった後、「神さまがくれた、あなたへのおくりものって何かな?」と子どもに問いかけてみてください。
言葉で返ってこなくても大丈夫。
そのやりとりこそが、ママの愛情を伝える時間になります。
それが、親子の心の対話のスタートになるはずです。
読み聞かせの時間は、子どもへの刺激や学びの時間でもあり、ママの心を整える時間にもなります。
ただ一緒に絵本を開く。
それだけで、十分に意味のある、豊かな時間です。
『かみさまからのおくりもの』は、そんな親子の時間を、そっと後押ししてくれる1冊。
がんばるママたちの本棚に、そっと寄り添う「お守り」のような絵本です。
7.おわりに
絵本は、「ケア」でもなく、「療育」でもなく、親子の「心の時間」です。
医療的ケアや障害育児の世界では、すべてが「目的ありき」になってしまうことがあります。
でも、絵本はちがいます。
絵本を開くその瞬間だけは、ただただ一緒にいられる時間。
「できること」も「がんばること」も気にしなくていい、ただ存在そのものを感じられる時間です。
今日、もし5分だけでも時間が取れたら。
絵本を開いて、お子さんと寄り添ってみてください。
ママの心にも、やさしい余白が生まれますように。
絵本は、むずかしいことをやさしく伝えてくれる力をもっています。
この絵本が、お子さんと心を通わせるひとときのきっかけになればうれしいです。
子どもたちだけでなく、読んだあなたにも、やさしい気づきがありますように。
絵本は子どものためだけのものではありません。
ママも、誰かに「だいじょうぶだよ」と言ってほしい。
そんなとき、ページをめくるだけでふっと肩の力が抜けるような絵本がそばにあると安心です。
子どものケアだけでなく、自分のケアも忘れないでいてほしい。
そんな願いを込めて、今日も絵本を紹介します。
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