こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
ちょっとだけ自己紹介します。

【アイスってこんな人!】

  • 寝ること・食べることが好きなアラフォー薬剤師
  • 2人姉妹を育てており、次女が医療的ケア満載の重心児
  • 福祉の支援やケアが必要な子の日常生活について、お母さん同士でおしゃべりしちゃう感覚でコラムを読んでもらえたら嬉しいです。

夏こそ見直したい!薬の保管3原則

暑い日が続く夏。

熱中症対策や食中毒対策には気を配っていても、「薬の保管方法」について考えたことはありますか?

薬は正しく飲むことはもちろん大切ですが、正しく保管することも同じくらい大切です。

薬は食品のように腐るわけではありません。でも、高温や湿気、光などの影響を受けると品質が低下し、本来期待される効果が十分に得られなくなることがあります。

特に、赤ちゃんや小さなお子さん、高齢者、慢性疾患などで毎日薬を飲んでいる方がいるご家庭では、薬を保管する期間が長くなることも少なくありません。

薬は「飲むもの」であると同時に、「管理するもの」でもあります。

飲み方だけを守っていても、保管方法が適切でなければ、本来の効果を十分に発揮できないことがあります。

そこで今回から始まる「薬の使い方、それって合っている?」シリーズでは、おうちで役立つ薬の知識を、薬剤師ママの視点から分かりやすくお伝えします。

第1回のテーマは、「薬の保管3原則」です。

毎日何気なく置いている薬も、この機会にぜひ見直してみましょう。

1.なぜ夏は薬の保管に注意が必要なの?

夏は、一年の中でも薬にとって特に過酷な季節です。

全国各地で30℃を超える日が続き、湿度も高くなります。さらに、車の中や窓際では50℃以上になることも珍しくありません。

「少しくらい暑くても大丈夫かな?」
「車の中に少し置いただけだから問題ないかな?」

そう思ってしまうこともありますよね。

でも実は、薬は製造されるときに、「どのような環境で保管すれば品質を保てるか」がしっかり確認されています。

その保管条件から外れた状態が長く続くと、有効成分が分解されたり、錠剤が変質したりしてしまう可能性があります。

見た目に変化がなくても、品質の変化は目では分からないこともあります。

だからこそ、毎日の保管方法がとても大切なのです。

💡薬剤師ママのワンポイント

夏は、薬をバッグや車の中へ入れたままにしてしまうことがあります。

数時間程度なら問題ない場合もありますが、炎天下の車内は60℃近くまで温度が上がることもあります。

外出するときは、薬をできるだけ高温になる場所へ置きっぱなしにしないよう心がけましょう。

 

2.「薬の品質」って、どういうこと?

薬の品質とは、薬が本来の効果を発揮し、安全に使用できる状態を保っていることです。

高温や湿気、光などの影響を受けると品質が低下し、期待していた効果が十分に得られなくなることがあります。

そのため、適切に保管することは、薬の品質を守るために欠かせません。

実は、薬はとてもデリケートです。

高温になる場所や湿気の多い場所、直射日光が当たる場所で保管してしまうと、使用期限内であっても品質が変わってしまうことがあります。

せっかく医師の指示どおりに薬を飲んでいても、本来の効果が十分に得られなかったら残念ですよね。

薬の力をしっかり発揮してもらうためにも、「正しい保管」を意識することが大切です。

💡薬剤師ママのワンポイント

「見た目は変わっていないから大丈夫」と思ってしまいがちですが、品質の変化は見た目だけでは判断できません。

だからこそ、使用期限だけでなく、普段の保管方法にも気を配ることが大切です。

 

3.薬を守る3つのポイント「光・温度・湿気」

前章では、薬は「飲むもの」であるだけでなく、「管理するもの」でもあることをお伝えしました。

ここでは、薬の品質を守るために大切な「保管3原則」をご紹介します。

覚えておきたいポイントは、とてもシンプルです。

  • 光 
  • 温度
  • 湿気

を避ける!

この3つを意識するだけで、多くの飲み薬は適切な状態で保管できます。

食品を保存するときも、「直射日光を避ける」「暑い場所に置かない」「湿気を避ける」ことを意識しますよね。

実は、薬も同じように保管環境がとても大切なのです。

薬保管のポイント① 光を避ける 〜日光は薬の大敵です〜

日光に含まれる紫外線は、薬の有効成分を分解してしまうことがあります。

そのため、次のような場所で保管するのは避けましょう。

  • 窓際
  • 直射日光が当たる棚
  • 車のダッシュボード

 

また、薬局でもらうPTPシート(錠剤が入っているシート)やアルミ包装、遮光袋には、薬を光から守る大切な役割があります。

「飲みやすいように」と思って薬を包装シートから取り出し、透明なケースへ移し替えている方もいます。

しかし、薬によっては品質に影響することがあるため、自己判断で移し替えるのはおすすめできません。

移し替えたい場合は、事前に薬剤師へ相談すると安心です。

 

【ミニクイズ】

〇でしょうか?
×でしょうか?

透明なケースに移し替えた方が、飲み忘れ防止にもなって便利。

答え:×

飲み忘れ防止には役立つこともありますが、薬によっては元の包装そのものが品質を守る役割を担っています。

便利さだけで判断せず、薬に合った保管方法を選びましょう。

 

💡薬剤師ママのワンポイント

1週間分のお薬ケースを利用する場合は、長期間まとめて移し替えるのではなく、必要な日数分だけ準備すると、品質への影響を少なくできます。

移し替える時は、包装に入った状態のままで。

1錠ずつばらしてしまうと、却って包装から薬が取り出しにくくなることもあるので、ご注意を。

 

薬保管のポイント② 高温を避ける 〜「室温保存」の意味を知っていますか?〜

薬の多くには「室温保存」と書かれています。

「家の中ならどこでも大丈夫」と思ってしまいがちですが、実は薬には国が定めた保管基準があります。

その基準をまとめたものが日本薬局方です。

薬局や医療機関では、この基準をもとに保管方法をご案内しています。

日本薬局方では、次のように定められています。

  • 室温:1〜30℃
  • 常温:15〜25℃
  • 冷所:1〜15℃

ここで多くの方が疑問に思うのが、

「夏は30℃を超える日が続くけれど、大丈夫なの?」

ということです。

答えは、「すぐに使えなくなるわけではありません」

室温保存の薬は、一時的に30℃を少し超えたからといって、すぐに品質が変わるわけではありません。

実際には、40℃・湿度75%という厳しい条件で安定性を確認する「加速試験」が行われています。

そのため、30℃前後の環境で数時間過ごした程度であれば、特別に熱に弱い薬でない限り、過度に心配する必要はありません。

ただし、次のような場所は別です。

  • 炎天下の車内
  • 窓際
  • コンロの近く

これらの場所では50〜60℃以上になることもあり、薬にとっては非常に過酷な環境です。

絶対に保管しないようにしましょう。

「暑いから冷蔵庫へ」は正解?

「夏だから冷蔵庫に入れておけば安心。」

そう考える方も少なくありません。

でも、実はこれも正しいとは限りません。

冷所保存の指示がない薬を冷蔵庫へ入れると、取り出したときに結露ができたり、温度差で湿気を帯びたりして、品質に影響することがあります。

冷蔵庫で保管するのは、薬袋や薬の説明書に「冷所保存」と書かれている薬だけです。

また、「冷所保存」といっても、冷凍庫で保管することはできません。

家庭用冷蔵庫(2〜5℃で設定されている)であれば、野菜室やドアポケットなど、直接冷気が当たりにくい場所がおすすめです。

一方で、チルド室や冷気の吹き出し口付近は凍結することがあるため避けましょう。

さらに、薬によっては開封前と開封後で保管方法が変わることもあります。

薬を受け取ったときに、薬剤師へ確認しておくと安心です。

【ミニクイズ】

〇でしょうか?
×でしょうか?

夏は、薬を全部冷蔵庫へ入れた方が安心。

答え:×

「冷所保存」と指示された薬以外は、室温保存が基本です。

暑いからといって、自己判断で冷蔵庫へ入れないようにしましょう。

 

💡薬剤師ママのワンポイント

旅行や通院で薬を持ち歩くときも、高温になる車内へ置きっぱなしにしないよう注意しましょう。

保冷バッグを使う場合も、保冷剤が薬に直接触れないようにすると安心です。

 

薬保管のポイント③ 湿気を避ける 〜見えない湿気にも要注意〜

薬は、湿気に弱いものがたくさんあります。

特に影響を受けやすいのは、

  • 錠剤
  • カプセル
  • 粉薬(散剤):細かい粉状の薬
  • 顆粒:粉を小さな粒状に加工した薬
  • 漢方薬

などです。

湿気を吸うと、

  • 色が変わる
  • 割れやすくなる
  • ベタつく
  • 固まる

といった変化が起こることがあります。

小児用の粉薬には甘味料が入っていることが多く、大人用よりも湿気を吸いやすいものもあります。

また、一包化された薬も、開封すると湿気の影響を受けやすくなります。

飲む直前まで包装を開けずに保管しましょう。

洗面所やキッチンは便利な場所ですが、湿気が多いため薬の保管にはあまり向いていません。

吸入薬の中には、湿気を吸うことで薬の粉が固まり、うまく吸えなくなるものもあります。

薬にとっては、「使いやすい場所」と「保管に適した場所」が必ずしも同じではないことを覚えておきましょう。

💡薬剤師ママのワンポイント

「薬は毎日使うから」と洗面所へ置きっぱなしにしていませんか?

少し手間でも、湿気の少ない場所へ移動させるだけで、薬をより良い状態で保管できます。

 

4.家の中でおすすめの保管場所は?

薬を保管する場所は、直射日光が当たらず、高温多湿になりにくい場所が基本です。

例えば、

  • エアコンが効いているリビング
  • 引き出し
  • 戸棚
  • 薬箱

などがおすすめです。

薬によっては「冷暗所で保管してください」と書かれていることがあります。

冷暗所とは、15~25℃程度で、直射日光が当たらない涼しい場所のことです。

「冷」という字が入っているため、「冷蔵庫に入れた方がいいのかな?」と思う方もいますが、冷暗所と冷蔵庫は別のものです。

多くの飲み薬は、そこまで厳密な温度管理をしなくても、室温で適切に保管できます。

一方で、次のような場所は避けましょう。

  • 車の中
  • 窓際
  • キッチン(コンロの近く)
  • 洗面所

これらの場所は温度や湿度が大きく変化しやすく、薬の品質に影響を与える可能性があります。

💡薬剤師ママのワンポイント

「毎日飲む薬だから」とテーブルの上へ置きっぱなしにしていませんか?

窓から日光が当たる場所は、思っている以上に温度が上がることがあります。

飲み終わったら、決めておいた保管場所へ戻す習慣をつけると安心ですよ。

 

5.誤飲・誤用を防ぐことも大切です

薬を安全に保管するためには、品質を守るだけでなく、誤飲や誤用を防ぐことも大切です。

特に、小さなお子さんや高齢者、認知症の方がいるご家庭では、手の届かない場所へ保管しましょう。

また、

  • 薬以外のものと一緒に保管しない
  • 自己判断で別の容器へ移し替えない
  • 家族それぞれの薬を分けて保管する

ことも大切なポイントです。

家族の薬が一緒になっていると、飲み間違いの原因になることがあります。

一人ひとり専用のケースや薬箱を用意しておくと安心です。

6.飲み薬・湿布・目薬は保管方法が違います

今回ご紹介した内容は、主に飲み薬(内服薬)の基本的な保管方法です。

一方で、湿布や目薬などの外用薬は、それぞれ保管方法や使用期限が異なります。

例えば、湿布は高温になると粘着力が弱くなることがあります。

目薬は、製品によって室温保存のものと冷所保存のものがあり、開封後の使用期限も異なります。

そのため、「薬だから全部同じように保管すれば大丈夫」とは考えず、薬袋や薬の説明書を確認する習慣をつけましょう。

湿布と目薬は一緒に保管しない方が安心です

意外と知られていませんが、湿布と目薬は一緒に保管しない方が安心です。

メントールなどの揮発性成分が含まれている湿布を目薬の近くで保管すると、その成分が目薬に影響し、使ったときに「しみる」と感じるケースが報告されています。

絶対に起こるわけではありませんが、保管場所を分けておくとより安心です。

💡薬剤師ママのワンポイント

目薬は開封した日付を容器や箱に書いておくのがおすすめです。

「いつ開けたかな?」と迷うことがなくなり、使用期限の管理もしやすくなります。

基本的に、開封後1か月経過した目薬は捨てるようにしましょう。

 

7.薬袋と薬の説明書も一緒に保管しましょう

薬を保管するときは、薬袋と薬の説明書(薬情)も一緒に保管する習慣をつけましょう。

薬袋には、

  • 薬の名前
  • 飲み方
  • 保管方法
  • 調剤した日付

など、大切な情報が記載されています。

また、薬の説明書には、副作用や使用上の注意なども書かれています。

いざというときに確認できるよう、薬と一緒に保管しておくと安心です。

ただし、薬袋に入っているからといって安心はできません。

紙は紫外線を通すため、薬袋に入れたままでも直射日光は避けるようにしましょう。

8.おわりに

薬を守るために大切なのは、

  • 温度
  • 湿気

この3つを避けることを意識することです。

夏は気温も湿度も高く、薬にとってはとても過酷な季節です。

「室温保存」の意味を正しく理解し、高温になる場所や湿気の多い場所を避けるだけでも、薬をより良い状態で保管することができます。

どんなに新しい薬でも、高温・多湿・直射日光の当たる場所で保管していては、本来の品質を保てない可能性があります。

この夏は、ぜひ一度、ご家庭の薬箱を見直してみませんか?

毎日飲む薬だからこそ、正しく保管することも大切なホームケアの一つです。

小さな心がけの積み重ねが、大切なご家族の健康を守ることにつながります。

次回予告

次回のテーマは、

使いかけの薬、いつまで使える?~使用期限の正しい考え方~」です。

飲み残した薬は飲んでも大丈夫?

目薬は開封したらいつまで使えるの?

塗り薬や湿布にも使用期限はあるの?

そんな疑問について、薬剤師の視点から分かりやすくお伝えします。

これからも「おうちで役立つ薬の教科書」として、毎日の暮らしに役立つ情報をお届けしていきます。

ぜひ次回もご覧ください。

そして、いちばん伝えたいのは

「どうか一人でがんばりすぎないで」ということです。

 

悩んだり迷ったりするのは、あなただけじゃありません。

 

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