夏休み、毎年しんどい… 障害児ママ7人に聞いた「リアルな悩み」と乗り切る工夫
こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
ちょっとだけ自己紹介します。
【アイスってこんな人!】
- 寝ること・食べることが好きなアラフォー薬剤師
- 2人姉妹を育てており、次女が医療的ケア満載の重心児
- 福祉の支援やケアが必要な子の日常生活について、お母さん同士でおしゃべりしちゃう感覚でコラムを読んでもらえたら嬉しいです。
はじめに
夏休みは、子どもたちにとって楽しみな季節。
その一方で、障害のあるお子さんを育てるご家庭では、学校や園が休みになることで生活リズムが変わり、普段以上に忙しくなる時期でもあります。
「昼ごはんを毎日考えるだけで大変。」
「デイサービスの調整に追われる。」
「暑さで外出も難しい。」
「きょうだい児との時間も大切にしたい。」
そんなさまざまな思いを抱えながら、毎日を過ごしているママも多いのではないでしょうか。
今回は、重症心身障害児、医療的ケア児、自閉スペクトラム症、知的障害のある子どもを育てる7人のママに、「夏休みの悩み」「わが家の工夫」「夏休みのママへのメッセージ」を教えてもらいました。
一人ひとりの言葉の中に、共感やヒントがきっと見つかるはずです。

障害のある子どもたち|夏休みの過ごし方体験談
ここからは、障害児ママたちへのアンケート結果をご紹介します。
ママたちには、以下の質問に回答していただきました。
- 夏休みで毎年大変なこと
- わが家の乗り切り方
- 夏休みが大変なママたちへメッセージ
ケース1 14歳・重心児ダウン症・男の子
14歳、男子、重症心身障害、ダウン症
①夏休みで毎年大変なこと
・デイのある平日は半日、デイのない平日は、なぜかへとへとになる。
一日中一緒にいるだけなのに、疲れてしまう。
考えられる理由は、以下の3つ。
ほぼ全介助なので、何かしらのお世話をずっとしてるため。
母に常に塩対応の子ども。母と一緒にいたくないオーラを出すのに、同じ空間にいないと不安?がるため。
母のエネルギーが子どもに吸い取られている可能性がある?ため。
・ 母と2人で外出したがらないので、予定を組みにくい。
②わが家の乗り切り方
・ デイサービスや居宅介護をフル利用する。
・家事など母のやりたい事全てを頑張りすぎないように調整する。
③夏休みのママへ
- ご飯もお弁当も手抜きでOK。
- 子どもとはなるべく「つかず離れず」の関係性を意識して。
- おやつでも昼寝でも何でもいいので、自分へのプチご褒美を忘れずに。
- 自分一人でためこまず、誰かにグチってストレス発散。
- (誰もいなかったら自分にグチるのも、意外と効果あり)
(NPO法人絵本屋だっこ理事・相談室ピアサポーターかめ)
▶ママたちの声から見えてきたこと
「頑張りすぎないこと」
「一人で抱え込まないこと」。
かめさんのお話からは、自分自身を大切にすることも、子育てを続けるために欠かせないということを改めて感じました。
ケース2 7歳・重心・医ケアあり・男の子

7歳、男の子、モワットウィルソン症候群、難治性てんかん
①夏休みで毎年大変なこと
・きょうだいの用事やイベントが増える。
発表会やお泊まり会、図書館イベント、お友達が来たり..など。
・仕事との両立。
いつもは学校へ送ればいいけれど、夏休みは放デイに送っていかなければならないので、勤務期間開始に間に合うかギリギリ!
・子どもは暑がりで、常に 汗っかきでビショビショな感じになる。
・とにかく母は疲れる…。
②わが家の乗り切り方
・きょうだいのイベントには、一緒に参加or送り迎えだけ一緒に行くなど臨機応変に。
・親子で通所!
保育士資格をとって、息子の通うデイサービスに就職しました。
子どもと一緒に行って、一緒に過ごして、一緒に帰るようにしています。
・ミニ扇風機や保冷剤を駆使して、少しでも涼しく移動できるように工夫。
子どもは体温調節が苦手なため、涼しさの確保に努めている。
・デイは2箇所をフル活用しています。
日頃から週5〜6で利用し、長期休みの時でもいつも通り過ごせるようにスケジューリング。
・レスパイトの利用
予約は、月2回・1週間ずつ入れるようにしている。
(体調が少しでも悪いと預かって貰えなかったりするけれど…)
③夏休みのママへ
今しなくても死なないことは、別にしなくていい。
自分の中の決め事を、すこし緩めてあげて。
アラーム音や泣き声などで辛い時は、1人になっていい。
少しの間、隣の部屋に逃げたっていい。
そしてアイスでも食べて、また少し頑張ればいい。
大事なのは、潰れないこと!
(サポートスタッフ かおる)
▶ママたちの声から見えてきたこと
きょうだい児との時間、仕事との両立、暑さ対策。
一つひとつを工夫しながら、「潰れないことが一番大切」との言葉が印象に残りました。
ケース3 13歳、双子男子、知的障がいを伴う自閉スペクトラム症

13歳、双子男子、知的障がいを伴う自閉スペクトラム症
①夏休みで毎年大変なこと
・デイに持っていくお弁当作りが大変!
双子はそれぞれ偏食があるので、学校がある時より朝の支度が大変です。
・長期休暇中は、デイが終わる時間が早いため、仕事を早退しなくてはいけないこと…
利用できる日は(空きがあれば)放課後デイのあと、日中一時支援を利用しています。
②わが家の乗り切り方
毎日デイに行っています。
双子2人ともデイが楽しいようで、私も仕事をしているので助かっています。
家での過ごし方として、お風呂プールをしていた時期もありました。
小学5年生くらいまで、お風呂でぬるま湯シャワーとおもちゃで水遊びをしていました。
普通のプールは、出すのも片付けるのもしんどいので、わが家はお風呂場をプール代わりにしていました。
③夏休みのママへ
私は、夏休みに毎日デイを利用することに負い目を感じている時もありました。
そんなに預けてばかりではいけないのでは?と思いながらも、一人で丸1日双子をみるのはかなりしんどくて、ためいきをつきながらイライラして過ごしていました。
これではいけないと思い、毎日デイをお願いしてみることにしました。
すると、子どもたちが帰宅する時に、両手を広げて「おかえり」と言えるようになりました。
今の私には、この形がいいと思います。
平日はデイでがんばってくれている分、土日は家でのんびりしています。
夫も含め家族みんなでごはんを食べに行ったり、いい距離感で夏休みを過ごせています。
負い目なんて感じなくていいんだと、笑顔になれている自分に気づきました!
(サポートスタッフ りぼん)
▶ママたちの声から見えてきたこと
「デイサービスを利用することに負い目を感じていた」という率直な思いに共感する方も多いのではないでしょうか。
家族みんなが笑顔で過ごせる選択が、その家庭にとっての正解なのだと感じました。
ケース4 10歳・知的障害・女の子

10歳、女子、発達障害、知的障害、摂食障害
①夏休みで毎年大変なこと
・一日中子どもと一緒に過ごすだけで大変。
・ 暑くて外出できない。
・きょうだい児へのフォロー。
・仕事との両立。
・暑さで、親子そろってイライラしがち。
普段なら気にならないようなことにも反抗される。
母のゆっくり一人時間も減り、母のメンタル力が試されがちになることが多い。
・昼ごはんを用意すること。
暑いと摂食力が落ちるので、無理なく食べられるメニューや食材を考えることに疲れる。
その結果、同じようなメニューばかりになりがち…
②わが家の乗り切り方
・デイサービスや学童をフル活用!
・ 朝のルーティンを決める。
・家の中でも楽しめる遊びを用意する。
親子で一緒に行う遊びは、以下のパターンが多くなります。
1.絵本屋だっこの読み聞かせYouTubeを聞きながら、絵本を見る。
2.かんたんな料理。
3.お風呂で半身浴と水遊び。
4.部屋を涼しくして、YouTubeで音楽ながして、テキトーダンス。体を動かす。
また、母がゴロゴロ横になると、娘は遊んでもらうことをあきらめるのか、一人で本を見たり、パズルやお絵描きなどを始めます。
・冷房や水分補給など、暑さ対策はしっかりと。
③夏休みのママへ
みんな頑張ってる。
「頑張ってるのは自分一人じゃないな」って分かるだけで、
ほっとしてます。
どこかで「子どもと過ごすのを大変って感じてはいけない」って思っていたのかもしれません。
そして、
「せっかくの夏休みだから、楽しくしてあげなきゃ」とか気負っている自分にも気づきました。
▶ママたちの声から見えてきたこと
「楽しく過ごさせてあげなきゃ」と思う気持ちは、親だからこそ。
でも、「大変」と感じる気持ちも自然なことなのだと、なおみさんの言葉が優しく教えてくれました。
ケース5 13歳、男子、医療的ケアありの重心

13歳、男子、医療的ケアあり、重症心身障害
①夏休みで毎年大変なこと
わが家は訪問教育なので、夏休みも普段の生活と何も変わりません。
強いて言えば、暑い夏に体調を崩さないように気をつけています。
②わが家の乗り切り方
まず第一に、必要時以外は外に出ないことを徹底しています。
室温のこまめな調整は、子どもの体温を基準に。
受診などで外出が必要な時は、早めに車のエアコンを入れて涼しくしておいたり、
お茶とポカリや経口補水液等を持っていき、こまめに適宜注入することを意識する。
(サポートスタッフ みかん)
▶ママたちの声から見えてきたこと
暑い夏は、体温調節や水分補給など、いつも以上に気を配る必要がある季節です。
毎日の小さな工夫の積み重ねが、安心して夏を過ごすことにつながるのだと感じました。
ケース6 9歳・医ケアあり重心児・女の子
9歳、女の子、重症心身障害、医療的ケアあり(気管切開、夜間人工呼吸器、導尿、浣腸、酸素療法、経鼻栄養など)
①夏休みで毎年大変なこと
・やる事が山積みな上に、どんどん出てくる。
きょうだい児(長女)と寝たきりの医療的ケア児(次女)が2人家にいる夏休み。
一日中ご飯を作ったり、それぞれの世話をしているため、深夜まで自分の時間が全く取れない。
多くのタスクを自分のペースでこなすことができず、毎日の疲労感がたまっていく一方…。
・暑くて外出できないが、元気な長女は外出をしたがる。
その時の次女のケアを、他の予定もある祖母に頼むスケジュール調整に気を使う。
・仕事がある日、デイサービスの送り出しを訪問看護師さんに依頼するための日程調整に頭を使う。
・子どもの在宅時間が長くなると、普段育児を手伝ってくれている祖母を長女の関係性が悪くなる(ギャングエイジの長女と高齢化しつつある祖父母との相性の悪さを痛感している)ので、そこのケアをするという母の仕事が増える。
②わが家の乗り切り方
・子どもたちの1日のルーティンを、子どもと一緒に決める。
母がいつ、どこで、何をするかの予定を予め立てておく。
塾や習い事のスケジュールを子どもにも把握してもらうため、1週間単位で考える。
・次女の場合は、いつも通りの曜日と時間帯でデイサービスを利用する。
リズムを崩さないように、こころがける。
・みんなでだらだらと過ごす1日を定期的に作る。
母の家事やケアはいつも通りですが、子どもの予定を入れず、親子でなるべく自由にする日を作る。
「命の洗濯」大事。
・親子そろっての昼寝と早めの入浴。
1日の終わりを意図的に早めて、しっかりと横になって休むようにする。
③夏休みのママへ
子どもの生活リズムが乱れないようにがんばるだけでなく、
普段通りのスケジュールでオンオフの切り替えの方を意識して過ごすと楽です。
それと別に、夏休みという名前の通り、「休みを意識して作る」こと。
私は、土日のどちらかを遅起き&だらだらと過ごすことで、気を抜く時間を作っています。
週1日ぐらい、適当に過ごしていても生活リズムは乱れません。
体が動かない時は、体だけでなく心も疲れていることが多いです。
そんな時には、無理に動こうとせず、
「最低限のケアだけを行えたらOK」と自分を甘やかす方向に持っていくように。
気持ちの切り替えを意識して行い、自分ファーストの日を作りつつ、夏を乗り切りましょう。
(NPO法人絵本屋だっこ理事・相談室ピアサポーター アイス)
▶ママたちの声から見えてきたこと
毎日を予定どおりに過ごせない日があるのは当たり前。
「最低限のことができたら十分」という考え方は、忙しい毎日を過ごすママの心を少し軽くしてくれるように感じました。
ケース7 11歳・重心・医ケアあり・女の子
11歳、女の子、重症心身障害、医療的ケアあり(吸引、胃ろう、夜間呼吸器)
①夏休みで毎年大変なこと
・学校より放課後デイの送り出しの時間が遅いので、仕事の調整が大変。
・昼食を用意しなくてはいけない。
・子どもは、普段から暑がり&汗っかきなので、暑い夏は外出時の対策や水分補給に特に注意が必要。
・暑さや光、外が苦手な長女と走り回ったり水遊びをしたい次女2人ともが楽しめるお出かけ。
・温度調整が難しい。
頭は汗をかいてても手足は意外と冷えていたり…
部分的に冷やしたりしながら、子どもにとって快適な環境になるように対応しています。
②わが家の乗り切り方
・平日は、ほぼ毎日デイサービスと訪問看護を利用しています。
・レトルトのペースト食をストックしておき、デイの昼食やお出かけ時に持って行ったり、家でも何も作ってない時に使っています。
暑い時期は衛生的にも安心です。
・前月の内に夫と仕事の調整をして、どちらが送り出しやお迎えをするか、二人で話し合って分担しています。
・母の仕事はフレックスを活用して、勤務時間の調整をしています。
上司にも前もって事情を話し、夏休み期間の働き方について相談しています。
・子どもたち2人ともが楽しめそうなイベントや旅行を計画し、私自身の楽しみにもしています。
・暑さ対策は、冷房や除湿と扇風機、アイスノンを組み合わせて使用しています。
冷えすぎて体調を崩さないように、室温の設定温度は27〜28℃にしています。
・汗をかくので、その分水分はいつもより少し多めに注入するようにしています。
③夏休みのママへ
デイ、訪看、通院など夏休み期間の調整をあらかじめしておくことが、夏休みを乗り切る鍵になると思います。
また、全てを頑張りすぎないこと。
手を抜けるところは抜いたり、家事も後回しでも良いことは一旦放置。
優先順位を付けながら、せっかくなので子どもと一緒に過ごせる時間を楽しもうとすると、少し気持ちにも余裕ができるのかなと思います。
今年の夏は何をするか、どこに行くかなど叶えたいことを小さな目標にすると、
「大変!」ばかりでなく、ワクワクした気持ちや達成感も感じられるのではないかと思います。
▶ママたちの声から見えてきたこと
事前に予定を調整したり、
家族で役割を分担したり。
「全部を頑張る」のではなく、「優先順位をつけて動く」という姿勢が、とても印象的でした。
おわりに
今回ご紹介した7人のママの体験談は、それぞれ環境もお子さんの特性も異なります。
それでも共通していたのは、「一人で抱え込まないこと」と「使える支援は遠慮なく活用すること」でした。
夏休みは思いどおりにいかない日があって当然です。
予定が崩れても、家事が思うように進まなくても大丈夫。
完璧な夏休みを目指すのではなく、家族みんなが無理なく過ごせる毎日を積み重ねていくことが何より大切なのではないでしょうか。
このコラムが、「私だけじゃなかった」と感じられる時間になり、それぞれのご家庭らしい夏休みを過ごすヒントになれば嬉しく思います。
子どもの状態はそれぞれ違っても、
ケアの方法についてはお互い参考になるところがあるかと思います。
赤ちゃんから成人した後のケアまで幅広くコラムに書いています。
ぜひ参考にして下さいね。
親子共に少しでも休息する時間が増えますように。
体の疲れが取れて、笑顔で過ごす時間が増えますように。
「私は一人じゃないんだ」
と感じてもらえたら、私もうれしく思います。
サポートスタッフ・相談室ピアサポーター アイス
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