お悩み・お役立ち PR

障害がある子の入浴に使える3つの支援と便利グッズとは?医ケア児ママが体験談を交え解説!!

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
ちょっとだけ自己紹介します。

【アイスってこんな人!】

  • 寝ること・食べることが好きなアラフォー薬剤師
  • 2人姉妹を育てており、次女が医療的ケア満載の重心児
  • 福祉の支援やケアが必要な子の日常生活について、お母さん同士でおしゃべりしちゃう感覚でコラムを読んでもらえたら嬉しいです。

障害がある子の入浴に使える3つの支援と便利グッズとは?医ケア児ママが体験談を交え解説!!

医療的ケア児、肢体不自由児など介助が必要な子の入浴方法について、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

子どもの体が小さいうちは保護者が抱きかかえて一緒にお風呂に入ることもできますが、医療的ケアが常時必要になった場合や、子どもの体が大きくなり移動が困難になった場合などには、家族だけで入浴をサポートすることが厳しくなってくることもあります。

そこで、今回の記事では、おうちでの入浴に使える支援や制度について、体験談を交えなが
ら詳しく紹介していきます。

 

1.入浴の効果

入浴には、主に2つの目的があります。

  • 身体の清潔を保つことにより、感染症を予防する
  • 身体を温め血行を促進し、蓄積された疲労を取り除き 心身機能を高める

これらの2つの目的が達成されることで、身体機能の維持向上が図られ、リラックス効果も出てきます。

また、子供にとっての入浴は、浮力で体を動かすことや遊びができる楽しみの場でもあります。

家族にとっては、子供とスキンシップやコミュニケーションをとるための時間でもあります。

しかし、一般的に体重が20kg前後になると抱っこでの介助が負担になってくるといわれています。

そのため、住環境、入浴に必要な物品、人手等の環境を整えて安心安全に入浴を継続できる
ケアプランを考えることが大切です。

 

 

2.在宅で使える3つの支援と特徴

在宅で使える入浴の支援としては、以下の3つがあげられます。

  1. 訪問看護での入浴(看護師による支援)
  2. 居宅介護での入浴(ホームヘルパーによる支援)
  3. 訪問入浴での入浴(看護師を含むスタッフによる支援)

それぞれについて、下記に詳しくご紹介します。

①訪問看護での入浴(看護師)

訪問看護とは、看護師が自宅に訪問する福祉サービスのこと。

体調管理をベースにして、吸引、注入などの医療的ケアに加えて、食事、入浴介助などの日常生活のサポートもしてくれる支援サービスです。

訪問看護サービスでは、医療と生活の両方の面で、子どもと家族を支えてくれます

入浴後の排痰マッサージカフアシスト人工呼吸器の装着皮膚トラブルにも対応可能です。

 

②居宅介護での入浴(ホームヘルパーによる支援)

居宅介護とは、ホームヘルプとも呼ばれ、身体障害や知的障害を持った方も使える障害福祉サービスの一種です。

18歳未満の子どもでも使えますが、自治体により利用できる年齢や支援が異なる場合があるため、福祉課に相談が必要です。

居宅介護では、介護のプロであるヘルパー(ヘルパーとして、介護福祉士や介護職員基礎研修修了者、居宅介護職員初任者研修修了者などがいてます)が、自宅に訪問します。

入浴含め、日常生活の様々なサポートをしてくれる支援です。

利用者が子どもの場合には、入浴、トイレ(排泄)、食事の介助など身体介護を依頼することが可能です。

また、一定の研修を受けた介護職・ヘルパーには、喀痰吸引や経管栄養の実施など、特定の条件下で対応できる医療行為もあります。

医療的ケア児の支援で入ってもらう場合には、上記の研修を受けたヘルパーに依頼すると安心です。

 

③訪問入浴での入浴(看護師を含むスタッフによる支援)

訪問入浴とは、看護師1名を含めた2〜3名のスタッフが、自宅に訪問し入浴介助を行う福祉サービスです。

移動式の簡易浴槽を自宅(部屋)に運んで、入浴のサポートをしてくれるため、大きいお風呂がないご家庭でも、安全に湯船に入れてもらうことができます。

主に寝たきりやお風呂までの移動も難しい方などの重度障害がある方が、安全に入浴するためのサービスです。

入浴前後には、看護師による血圧測定などの健康チェックも行われます。

なお、訪問入浴は、自治体により利用できる年齢や利用料金の補助が異なるため、福祉課に相談が必要です。

 

 

3.あると便利な日常生活用具(入浴補助用具)

自宅で入浴介助が必要な方をお風呂に入れる場合は、日常生活用具にて入浴補助具を申請、活用するのがおすすめです。

日常生活用具とは、障害者手帳や小児慢性特定疾病医療受給者証を持っている場合※に、各自治体や都道府県が給付(購入補助)・貸与してくれるものです。

※難病の場合にも認められるケースがあります。

日常生活用具の中に、お風呂のサポートに使う入浴補助用具というものがあります。こちらを使うことで、より安全に入浴できるようになる可能性があります。

入浴補助用具は、基本的に浴室で使用するために耐水仕様となっており、身体を洗ったり、浴槽につかったりする際に使用します。

入浴補助用具の例

入浴補助用具には、主に以下のようなものがあります。

<入浴補助用具の例>

  • バスチェア
  • シャワーチェア
  • リフト
  • お風呂ベッド
  • お風呂ネット
  • 簡易浴槽

入浴補助用具は、個人の身体の状況に合わせて様々なオプションを組み合わせることにり、安定した姿勢での入浴を可能にしてくれます。

それぞれ特徴がありますので、購入前にはぜひ一度デモ機を取り寄せて、子どもと一緒に実物を確認してから申請をしてくださいね。

入浴補助用具を選ぶ際にチェックしたいポイント

実物を確認した上で説明書をじっくりと読むと、意外と自分が考えていた使い方ができなかったという場合もあります。

実物を確認する際には、下記のポイントをチェックすると安心です。

  1. 大きさ(使う場所と保管場所、通路を確認)
  2. 軽さ(分解&持ち運び可能なものもある)
  3. 高さ(キャスターの必要性の有無を確認)
  4. ティルト・リクライニングの角度(使用時と保管時で対応できる角度が異なる場合がある)
  5. お手入れのしやすさと耐久性(素材を確認)
  6. 乾きやすさ(カビ防止対策など)
  7. 肌あたりなどの感触(直接お肌に触れるため)
  8. 子どもにとって快適かどうか(筋緊張が入ったり、不快そうな顔をしないかどうか)

チェアのオプションのキャスター(車輪)は、介護者の腰の負担が格段に軽減されるため、個人的にはつけることをおすすめします。

入浴補助用具があると、子どもも介助者も安楽にお風呂を楽しむことができますので、ぜひ申請について調べてみてください。

 

4.入浴補助用具を検討する際の注意点

入浴補助用具を検討する前に、いくつか注意点があるため事前に確認しておきましょう。

①子どもの年齢や状態によっては申請できない場合がある

子どもの年齢や状態によっては申請できない場合があるので、福祉課や自治体の保健センターに相談が必要です。

日常生活用具は、年齢制限があったり、障害者手帳の内容次第では給付が難しい場合があります。

障害者手帳での交付が難しい場合には、小児慢性特定疾病医療での日常生活用具の給付が可能なケースもありますので、地域の保健センターに相談して下さい。

 

②合わなかったからといって簡単に買い替えはできない

入浴補助用具には、耐用年数が定められています。一度助成を使って購入すると、次回の購入の際には、耐用年数が経過してからでないと助成がおりません。

ただ、子どもの場合には、事情によっては耐用年数以内の購入の際に再度助成を出すことが可能な場合もあるようです。

事前に自治体での申請条件をチェックしておきましょう。

 

 

5.入浴方法の検討と便利グッズ

入浴補助用具の購入を迷っている段階では、まずは入浴環境を整えたり、市販の道具を使って一度工夫をしてみるのもいいかもしれません。

以下に、自宅で工夫できる入浴方法や、おすすめの便利グッズをご紹介します。

障害のある子の入浴の工夫①入浴の場所を考える

お子さんによっては、浴室以外の場所のほうが安全に入浴できる場合もあります。浴室での入浴が難しい場合は入浴場所を検討してみましょう。

<入浴場所の例>

  • 自宅
  • 洗面所
  • 台所
  • 浴室
  • 居室

 

障害のある子の入浴の工夫②浴槽を選ぶ

使用する浴槽を変えることで、入浴介助が楽になる場合があります。

<浴槽の例>

  • ベビーバス
  • ビニールプール
  • 角型たらい
  • 簡易浴槽(かえるのオフロなど)
  • 台所シンク
  • シートが取り付けられるベビーバス(フレキシバスなど)

 

障害のある子の入浴の工夫③便利グッズを活用する

以下のようなグッズを取り入れてみるのもおすすめです。

<入浴に使える便利グッズの例>

  • バスマット
  • 滑り止めマット
  • フロート
  • ヘッドフロート
  • ネックシャワー(ラテックスアレルギーは使用不可)
  • バスネット
  • ビニール製エアー枕
  • ビニール製ビート板
  • ペットボトルじょうろ、ドレッシングボトルじょうろ
  • 撥水シート
  • ヨガマット
  • 介助台

また、入浴介助の負担を減らすためには、泡で出てくるシャンプー・リンス・ボディソープ、オールインワンタイプの洗浄剤など、介助者の手間を省くことができる商品を選ぶのもおすすめです。

子どもの成長に伴い、入浴に関する課題も変化していきます。それぞれの子どもと家族にあったスタイルを、その都度考えていくことが重要です。

6.支援の合わせ技|おすすめ利用方法と体験談

訪問看護と居宅介護は、同時に(同じ時間帯で)使うことも可能です。

2つを上手く組み合わせることにより、ママの時間を増やすことができます。

私の娘は、赤ちゃんの頃からお風呂が大好きです。ただ、昔から医療的ケアがあったり、お風呂に入れることができる大人が母である私1人だったこともあり、毎日の入浴が負担になってきた生後半年の頃から居宅介護でヘルパー2人体制で支援を受けていました。

心臓手術後に寝たきりになってからの在宅生活では、当初は訪問看護のみを使い、看護師と一緒に入浴とその後の医療的ケアを行なっていました。

その後、私が医療的ケアの手技に慣れてからは、レスパイト(休息)目的で、看護師とヘルパーの2人体制もしくはヘルパー2人体制で週4日依頼しています。

浴槽の掃除を含めた入浴の準備から後片付け、入浴前の体調確認から入浴後に必要な医療的ケア(気管切開部のケア、外用薬の使用、経管栄養の確認など)まで全てお任せしています。

そのため、訪問中は私は家事をしたり、昼寝をしたり、おやつを食べたり、買い物に行ったりと比較的自由に過ごすことができています。

そして、訪問の1番ありがたみを感じる時は、子どもの体調不良の時です。

私の娘は、気管切開をしているため、体調不良時には痰の吸引回数が倍増することがあり、ケアでヘトヘトになることもあります。

その時には、「訪問の時間が来たら、ケアを代わってもらえる。体調不良時の今後の対応も、一緒に考えてもらえる。ようやくひと休みできる」といった気持ちのゆとりが生まれます。

体調不良時の入浴は、発熱の有無やお腹の調子、痰の状態などの総合的に判断して、短時間の入浴、シャワーだけ、清拭のみと色んなパターンで対応してもらっています。娘も、ゆったりとした時間が流れる快適な入浴を楽しんでいるようです。

お風呂では、とても穏やかな笑みを浮かべたり、うとうとしたり、おしゃべりを楽しんだり
していると聞いています。

 

7.おわりに

障害児ママの中には、在宅おふろ研究家として活動されている方もいます。
ネットでも閲覧可能な「超重症児の在宅おふろ事例集」は必見の価値ありです。

入浴ケアで、呼吸も皮膚も健康的に過ごすことが毎日の快適な生活への基本になります。

入浴スタイルに正解はありません。自分のプライベートスペースを理解した上で支援を受けている子もいれば、家族の時間を大切にしている子もいます。

ただ、普段介助している家族に何かあった時のために、週1回でも入浴の支援を受けておくことで、気持ちの余裕が生まれやすいと思います。

各々の子どもとその家族にとって、現在の優先事項は何か、どのような支援や制度があるのか、成長するに従ってどのような課題が出てくるのか、ぜひ一度、絵本屋だっこの体験談(お風呂特集)を読んでみてくださいね。

絵本屋だっこの体験談では、乳幼児から成人した後のお風呂事情について、ママたちが回答してくれています。

みんなの体験談「みんなのお風呂、成人後までの親子の工夫」|絵本屋だっこコラム障害児・重心児・医療的ケア児のお風呂事情。入浴支援やヘルパーの利用、デイサービスでの入浴など、障害児を育てるご家庭の入浴事情を聞いてみました。...

前例がないことで支援を受けられないことも多々ある福祉サービスですが、あきらめずに一人一人がその支援の必要性をリアルに訴えていくことが、後々の障害福祉の改善につながると思います。

親子ともに、心身ともに無理ない暮らしを長く続けていく方法をみんなで考えていきた
いですね♪

 

サポートスタッフ・相談室ピアサポーター アイス

 

ほかのコラム記事を読む

 

ひとりで悩んでしまう方は『絵本屋だっこ相談室』へご相談ください

絵本屋だっこ相談室

絵本屋だっこでは、障害児ママたちが安心して相談できる場所をつくるため、また、障害児がいて外で働けないママたちの居場所をつくるため、『絵本屋だっこ相談室』を開設しました♪

ぜひお気軽に、ご相談にきてくださいね。

絵本屋だっこ相談室はこちら

 

新米ママたちへ向けたお役立ち情報の掲載

こちらのコラムページでは、重心児や自閉症・発達障害などの障害児を育てる先輩ママたちにご協力いただき、新米ママたちへ向けたお役立ち情報を発信していきます!

<コラムに載せる内容例>

  • 障害児ママたちの体験談まとめ【連載企画】
  • 障害児向けの便利グッズ
  • 障害児育児のお役立ち情報
  • 障害児が使える福祉サービスについて
  • 障害児の将来に関すること など……

今、子どもに障害を宣告され、不安いっぱいのママたち、まだまだ子どもが小さく先が見えず不安なママたちへ、必要な情報を届けられればと思っています。

コラム掲載のご案内は、公式LINEやインスタなどで行なっていきますので、ぜひチェックしにきてくださいね!

▼公式LINEのご登録・お問い合わせはこちら

友だち追加

▼絵本屋だっこInstagram

絵本屋だっこのインスタ

絵本屋だっこのインスタをフォロー>>

コラム記事を書いてみたい方を募集中!

絵本屋だっこでは、子どもに障害があって外に働きに出られないママたちの働き場所をつくる取り組みをスタートさせました。こちらのコラム記事執筆も、そのひとつです。

報酬は多くは出せませんが、お手伝いいただける方がいればぜひ公式LINEよりお問い合わせください。一緒に活躍の場をつくっていきましょう!

▼公式LINEのご登録・お問い合わせはこちら

友だち追加

ボランティアさんも募集中♪

絵本屋だっこコラムでは、障害児ママ以外にも、情報発信をしてくださる方を募集します♪

たとえば、特別支援学校の先生、リハビリの先生、デイのスタッフさんなど、障害児ママたちの不安を解消できるような情報発信をしたいという方がいましたら、ぜひご協力ください!

みなさまのあたたかなご協力をお待ちしております(^^♪

ほかのコラム記事を読む