こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
こんにちは!絵本屋だっこコラム担当・相談室ピアサポーターのアイスです♪
ちょっとだけ自己紹介します。
【アイスってこんな人!】
- 寝ること・食べることが好きなアラフォー薬剤師
- 2人姉妹を育てており、次女が医療的ケア満載の重心児
- 福祉の支援やケアが必要な子の日常生活について、お母さん同士でおしゃべりしちゃう感覚でコラムを読んでもらえたら嬉しいです。
子どものリハビリって何?
PT・OT・STを受けているわが家が感じたこと
「子どものリハビリって、どんなことをするの?」
医療的ケアが必要な子や、発達がゆっくりな子を育てていると、よく聞く言葉が「リハビリ」です。
けれど、初めてその言葉を聞いたとき、私は正直よく分かっていませんでした。
「厳しい訓練をするのかな」
「できないことを繰り返し練習するのかな」
そんなイメージを持っていたのです。
娘はこれまで、
・理学療法(PT)
・作業療法(OT)
・言語療法(ST)
すべてのリハビリを受けてきました。
低酸素脳症の後遺症で「一生寝たきりの医療的ケア児」と診断されたとき、
正直に言うと、「この子にリハビリって意味があるの?」という不安もありました。
けれど続けていくうちに、リハビリはただの訓練ではなく、
子どもとの生活を少し楽にするための時間なのだと感じるようになりました。
リハビリについて理解を深めるために読んだ本の一つに、
『在宅医療が必要な子どものためのケアテキストQ&A』
があります。
医療的ケア児の生活や手技、リハビリの目的やポイントがとても分かりやすく書かれていて、
「なるほど、そういうことだったのか」と思うことがたくさんありました。
今回は、わが家の体験も交えながら、子どものリハビリについてママ目線でお話ししたいと思います。

リハビリとは? わが家が受けてきた3つのリハビリ(PT・OT・ST)
子どものリハビリ(リハビリテーション)には、主に2つの目的があります。
- 成長発達を促すこと
- 二次障害を予防すること
対象となる子どもは、
- 肢体不自由児
- 知的障害児
- 発達障害児
- 重症心身障害児
- 医療的ケア児など
さまざまです。
一人で動くことが難しい子も、
動くことはできるけれどサポートが必要な子も、どちらもリハビリの対象になります。
子どものリハビリには、いくつかの専門職があります。
よく聞くのが、
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 言語聴覚士(ST)
の3つです。
それぞれの特徴を、ママ目線で分かりやすく紹介していきます。
PT(理学療法士)
PTは、体の動きに関わるリハビリです。
例えば
- 寝返り
- 座る
- 立つ
- 体のバランス
- 筋肉や関節の動き
- 呼吸リハビリ
といった、体の基本的な動きをサポートします。
わが家では、姿勢の作り方や体の支え方などを教えてもらうことが多くありました。
体を動かす機会が減ると、関節や筋肉はかたくなってしまいます。
筋肉のマッサージや関節の動かし方のポイントを学ぶことで、日常生活の中でも手足や体を柔らかく保つことができるようになりました。
例えば、
「この角度でクッションをはさむと、ベッド上での呼吸が楽になるんじゃない?」
「この姿勢だと、手が動かしやすいみたいだよ」
そんな小さな工夫で、子どもの動きが変わることもあります。
OT(作業療法士)
OTは、生活動作や手の使い方に関わるリハビリです。
例えば
- おもちゃで遊ぶ
- 物を握る
- スプーンを持つ
- 着替え
- ボタンをとめる
など、日常生活の動きをサポートします。
「作業療法」という名前ですが、実際には遊びを通してリハビリをすることも多く、子どもにとっては楽しい時間になっていることが多いようです。
おもちゃを少し遠くに置いて手を伸ばす動きを促したり、触りやすい形の物を使ったり。
子どもの「できそう」を見つけてくれるのが、OTの先生だと感じています。
わが家では、座位保持装置に座って姿勢を安定させたあと、手を使う作業を行っています。
ST(言語聴覚士)
STは、コミュニケーションや摂食嚥下に関わるリハビリです。
「言語」と聞くと、話す練習をするイメージがあるかもしれません。
でも実際には
- 発声
- 口や舌の動き(咀嚼)
- 飲み込み(嚥下)
- 視線
- 意思表示
など、コミュニケーション全体や食べる力をサポートしてくれます。
声が出なくても、
- 表情
- スイッチ
- カード
など、さまざまな方法で気持ちを伝える方法を一緒に探してくれます。
わが家では、顔の筋肉や口の中のマッサージを続けてきました。
経口摂取を進めるためにも、いろいろな表情を作るためにも、まず顔の筋肉を使うことが大切だからです。
毎日の生活の中で顔に触れる機会を増やし、歯磨きや口腔ケアブラシで口の中からマッサージを続けてきました。
最初は反応がほとんどありませんでしたが、少しずつ表情が増えていきました。
PT・OT・STのちがいまとめ
PT・OT・STはそれぞれ専門分野が違いますが、目指していることは同じです。
- 子どもが生活しやすくなること
- 遊びを通して、子どもの反応や動きを引き出すこと
そのためのサポートをしてくれているのだと感じています。
リハビリは「できるようにする」だけじゃない
最初の頃、私はリハビリを
「できないことを練習する場所」だと思っていました。
でも実際には少し違いました。
リハビリの先生たちは、
「できないこと」よりも
「できる動き」に注目してくれます。
できないことを責めるのではなく、
できる動きを増やす。
その子にとってやりやすい方法を探す。
それだけで、子どもの動きや反応が変わることがあります。
例えば
- 姿勢を少し変える → 呼吸が楽になる
- 体の支え方を変える → 体の力が抜ける
- 声が出なくても → 意思表示はできる
「できないから練習する」のではなく、
どうすればこの子がやりやすくなるかを一緒に考えてくれる場所。
そんなふうに感じるようになりました。
リハビリの先生たちは、親よりも子どもの可能性を信じ、将来への希望と育児への支援を支えてくれる存在です。
親として感じたリハビリの変化
リハビリを続ける中で、娘にも少しずつ変化がありました。
表情が豊かになったり、
声を出すことが増えたり。
体の動きも、ほんの少しずつですが変わってきました。
もちろん、劇的に何かができるようになるわけではありません。
昔のように自由に動いていた頃に戻ることも、難しいと分かっています。
それでも、
子どもの中にある力が、ゆっくりと引き出されているように感じます。
そして何より、
親である私の見方が変わりました。
「この子にはできない」と思っていたことも、
「やり方を変えればできるかもしれない」
そう思えるようになりました。
PTでは、麻痺していた腕の可動域が少しずつ広がってきたことが分かったとき、本当にうれしかったです。
OTでは、学校やデイサービスで、手にスプーンや歯ブラシを握らせて食事や歯磨きを練習したり、楽器を触ったり、絵の具を使ったお絵描きやタブレット操作など、家庭では準備が難しい遊びにも挑戦しているようです。
娘は一人では物をつかむことが難しいのですが、介助してもらいながら、図工や音楽を楽しんでいると聞くと、とても嬉しくなります。
STでは、口腔ケアとかたくなっていた顔のマッサージを続けていくうちに、子どもらしいほっぺの柔らかさが少しずつ戻ってきました。
娘は長い間、反応がほとんどありませんでした。
それでも、あきらめずにタッチや声かけを続けてきました。
眠り姫のようだった時期。
無表情だった時期。
そこから、
泣くことができるようになり、
微笑むようになり、
今では口を縦に大きく開けて笑えるようになりました。
気管切開をしているため声を出すことは難しいのですが、
口の動きで会話の応答ができるようになったときは、本当に驚きました。
体調が良いときには、家族でおやつを食べる時間もあります。
暑い日に、ニコニコしながらアイスを食べている姿を見ると、
経口摂取をあきらめなくてよかったなと思います。
日常生活がいちばんのリハビリ
リハビリ病院で、こんな言葉をかけてもらったことがあります。
「私たちと同じように生活することが、一番のリハビリですよ。」
週に1回や2回のリハビリだけで、子どもの体が大きく変わるわけではありません。
むしろ大切なのは、毎日の生活です。
例えば
- 抱っこ
- 食事の姿勢
- 遊び
- お風呂
- 着替え
- 声かけ
こうした日常の中に、リハビリのヒントがたくさんあります。
とはいえ、親が頑張りすぎる必要はありません。
リハビリで教えてもらったことを、生活の中で少し取り入れる。
それだけでも十分だと思います。
子どもにとって一番大切なのは、
安心して毎日を過ごせることだからです。
リハビリを理解するための一冊
リハビリや医療的ケアについて理解を深めたい方には、
という本もおすすめです。
この本は、私が病院で医療的ケアを習ったとき、ケアについてまとめた資料を探している中で出会いました。
医療的ケアが必要な子どもだけでなく、体のサポートが必要な子どもを在宅で支えていくための具体的なケア技術や知識が、イラストやQ&A形式で分かりやすくまとめられています。
在宅ケアの手技だけでなく、「なぜこのケアをするのか」という考え方も書かれているのが特徴です。
「すべての病院で保護者向けのテキストとして配ってほしい」と思うほど、在宅ケアを必要とするご家庭におすすめしたい一冊です。
医療職向けの教科書のような内容ですが、実際の生活に寄り添った形で書かれているため、家族にもとても読みやすい本です。
栄養ケア、発達を促すケア(遊びやコミュニケーション)、リハビリテーションまで幅広く紹介されている本は珍しく、
「なぜこのケアをするのか」が少しずつ分かるようになります。
ケアに迷ったとき、「何に気をつければいいのか」を教えてくれる心強い存在です。
本をゆっくり読む時間がなくても、必要な部分だけ調べて読むことができるのも助かります。
退院前に、そして在宅生活が始まってからも。
ぜひ一度手に取ってみてほしい本です。
7.リハビリは「その子らしい生活」を作るもの
リハビリという言葉を聞くと、
「頑張るもの」
「訓練」
「普通の動きができるようになることを目標にするもの」
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも、実際に続けてみて感じたのは、
リハビリはゴールを目指す競争ではないということでした。
誰かと比べるものではありません。
その子が少しでも楽に、
少しでも心地よく、
安全に毎日を過ごせるようにすること。
それが、リハビリなのだと思います。
抱っこをする時間や、遊ぶ時間。
何気ない日常の中にもリハビリはあります。
子どもの生活が、少しでも心地よいものになりますように。
そんな願いを込めて、今日もわが家の生活は続いています。
8.おわりに
脳に障害を負った子どもに対して、
親として何ができるのか。
ずっと探し続けてきました。
その中で、
「リハビリ=生活を楽にするヒント」
そう思えるようになったことは、私にとって大きな希望でした。
多くの制限がある子どもとの生活は、不便なこともたくさんあります。
それでも、できないことをただ嘆くのではなく、
「どうすればできるのか」を考えてみること。
環境を整えるだけで、できることが増えるかもしれない。
親子で新しい体験を重ねていくことができるかもしれない。
できることを増やすことよりも、
楽しく生きる時間を増やすこと。
リハビリとは、特別な時間ではなく、
子どもの毎日の暮らしの中にあるものなのだと思います。
そして、いちばん伝えたいのは
「どうか一人でがんばりすぎないで」ということです。
悩んだり迷ったりするのは、あなただけじゃありません。
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